松原の歴史・文化を「神楽」に 小中学生が出演 21日、八幡神社で初披露

全体練習で神楽を披露する子どもたち=大村市、松原八幡神社

 長崎県大村市松原地区の町おこし団体、松原宿活性化協議会(村川一恵会長)が、地元の歴史や文化などをテーマにした「松原神楽」の制作に取り組んでいる。初めて制作した神楽には市立松原小の児童らが出演し、21日の「松原おくんち」でのお披露目に向け練習に励んでいる。
 同協議会では毎年、松原小の児童を対象に地元の歴史や文化を学ぶ「寺子屋塾」を開催しているが、新型コロナ禍のため2年連続で中止に。「コロナで何もできないのがもったいない」(村川会長)と神楽の制作を決め、文化庁の伝統文化親子教室事業の一環で取り組んできた。
 制作した神楽は「深澤儀太夫勝清 鯨獲(と)り」。江戸時代に捕鯨で富を得た深澤儀太夫をテーマに、もりを手入れする様子や海でクジラと格闘する姿が振り付けに盛り込まれている。地元の小中学生11人が舞や笛、太鼓で出演。曲は市内外の音楽家らの協力を得て制作し、笛は子どもでも演奏しやすい音を主体に構成するなど工夫した。
 14日は、指導に当たった音楽家や保護者らが見守る中、本番と同じ舞台と衣装で最後の全体練習に臨んだ。コロナ禍のため練習の開始は10月と遅かったが、子どもたちは約5分間の神楽を堂々と披露していた。
 21日は午前10時半から、同市松原本町の松原八幡神社境内で上演。子どもたちが例年舞っていた神楽「浦安の舞」も披露される。今後は深澤儀太夫のほか、長崎街道や松原鎌、へこはずしなど松原地区の歴史や文化を題材にした神楽を毎年制作する予定という。
 村川会長は「地域の人が声を掛けてくれたり太鼓の台を作ってくれたり、今回の取り組みは地域交流のきっかけにもなった。来年は出演する子どもをさらに増やしたい」と話した。

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