福島の小中学生 原爆の実相学ぶ 川内村と長崎大「復興子ども教室」

大学生(手前)の案内で爆心地公園を見学する川内村の小中学生ら=長崎市松山町

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響を受けた福島県川内村の小中学生11人が5日、長崎市の爆心地公園や長崎原爆資料館などを訪れ、原爆の実相や戦後復興の歴史を学んだ。
 被災地の復興を担う人材を育てようと、川内村と長崎大が2013年から取り組む「復興子ども教室」の一環。昨年は新型コロナウイルス禍のためオンラインプログラムのみで、来崎は2年ぶりとなった。
 今年は義務教育学校の村立川内小中学園6、7年生が参加し、4日から6日までの日程で長崎市内や雲仙・普賢岳噴火災害からの復興を遂げた島原半島を訪れた。同大教育学部の学生らが学習をサポートし、6月には児童生徒に長崎の歴史などを伝えるオンライン授業も実施した。
 5日は長崎大で、ブドウの色素を使って発電する「色素増感太陽電池」を作る実験に取り組んだ後、大学生の案内で原爆落下中心地碑や被爆当時の地層などの被爆遺構を見学した。同学園7年の遠藤陽菜さん(12)は「原爆が落とされて時間がたって復興しているけど、原爆の被害の大きさを忘れないために(遺構などを)残している部分もあると分かった」と感想を語った。

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