【九州場所】1敗キープの宇良 序二段転落を経て発足…個人後援会に“4年分”の恩返し

順調に白星を積み重ねている宇良(東スポWeb)

期待の大きさは〝4年分〟だ。大相撲九州場所6日目(19日、福岡国際センター)、幕内宇良(29=木瀬)が元大関の幕内高安(31=田子ノ浦)を足取りで破って1敗をキープ。取組後は「一喜一憂しないようにしている。明日から頑張っていきたい」と気を引き締めた。

2度にわたるヒザの大ケガで一時は序二段まで転落。不屈の闘志で7月場所で幕内復帰を果たした。その宇良には、励みにしている存在がある。母校の京都・鳥羽高から実習生を受け入れるなど交流がある電気機械器具製造業の片岡製作所が、今年8月に宇良にとって初となる個人後援会(片岡宏二会長)を設立。すでに650人の会員を集めている。

当初は2017年に発足予定だったが、宇良が同年秋場所でヒザを痛めて長期休場したため、機を逸した。同社の担当者は「『一度応援すると決めたものは最後まで、本人がやめると言うまで』との会長の考えのもと、ご支援させていただきました」。辛抱強く復活を待ち続けた結果、4年後に待望の設立となった。

発足後直後の秋場所は7勝8敗で負け越しとなっただけに「ご本人も『九州場所は勝ち越せるように頑張ります』と言っていました。ただ、三役昇進は『それだけは自分でどうこうではなく評価されてのものなので、とにかく毎日の一番一番をしっかり着実に』と言っていました」(同担当者)。無欲で白星を積み重ねていけば、新三役も見えてくる。

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