目指すは甲子園独特のイントネーション
少年野球の試合中、保護者の役割としてスコアの記入や場内アナウンスを任される母親もいる。不慣れな仕事に対し、どう向き合うべき? 息子2人が首都圏の野球チームでプレーしてきた“等身大の野球ママ”玲奈さんが、自らの経験から親の悩みや問題解決のヒントを探る連載「野球ママのReality」の第5回。実際にやってみると思ったよりも楽しく、技術を磨くようになったという。
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少年野球では、「スコア付け」がお母さんたちの役割になっているチームがあります。勉強会が開かれて、スコアの付け方を教わります。スコアは過去の試合を振り返るにはとても良いですが、野球のルールがよく分からない、野球にあまり興味がないお母さんには、とてつもない苦痛だと思います。
お母さんの担当には、試合の場内アナウンスもありますが、この時にもスコアを付けられないと困ります。野球を知らないと、打順が1~9番まであって、守備番号も1~9まであるので、守備変更でピッチャーからショート入る時に「1が6に変更」と言われても混乱してしまいます。1~9が2種類ある意味が分からないんです。守備番号と背番号も同じとは限らないので、せっかく声がきれいなのに、アナウンスはあきらめると言っているお母さんもいます。
私はアナウンスをやってみたら意外と好きで、うまい人に教わっています。ルールを理解するとすっきりしますし、シート変更や選手変更のアナウンスがうまくいくと気持ちいいんです。ただ、苦手なお母さんには大きな負担になるので、強要するのは辞めた方が良いと思います。
試合会場に行って、応援だけに集中できるお母さんはいない
場内アナウンスは、地声でコールすると声の通りが悪く、球場にいる人が聞きづらくなってしまいます。相手チームには甲子園のアナウンスみたいに、遠くまで良く聞こえる声を出せるお母さんがいます。私もやってみたいのですが、声が裏返ってしまいそうで、まだやっていません。声のトーンは私の課題です。甲子園のアナウンスはイントネーションが関西弁ですが、その方が遠くまで通ると聞いたことがあります。本当なのか、それとも甲子園が関西にあるからなのか、ご存じの方がいらっしゃったら教えてください。
私はアナウンスを楽しんでいますが、じっくり試合を見たいと思う時もあります。スコア付けをするお母さんも含めて、「今のは、いいヒットだったね」と言っている間に試合が進むので、みんな無心でスコアを付けたり、アナウンスをしたりしています。試合会場に行って、応援だけに集中できるお母さんはいないですね。
ここまで保護者がしなくてはいけないのか、という意見もあると思います。実際に私もそうでしたし、他のママたちでもストレスになっている人もいます。私のように楽しめることができたらいいのですが、そうでない人も多くいることを、任せる方の方々は忘れないでくださいね。
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