大好きな野球に「行きたくない」 出場機会なし、怖い指導者…保護者はどう向き合う?

練習行きたがらない子どもに、保護者はどう向き合う?

悩みと向き合う指導者からもらった回答を紹介

First-Pitch編集部では野球に関わる人たちの疑問解決のヒントを届けていきます。「First-Pitchコーチ」と題し、取材に基づいた参考例を紹介します。今回は「少年野球の保護者が抱える悩み」について、現場から聞こえてきた声をもとに、現場に出ている指導者さんから話を聞き、解決策をご紹介していきます。【前編】

○子どもが練習に行きたがらない。

必ず何か原因があります。そのため、子どもが「練習に行きたくない」と言い始めたら、「お金を払っているんだから行きなさい!」と責めるのでなく、「何かあったの?」と聞いてあげてほしいです。チームメートからの悪口、指導者が怖い、練習がきつい、試合になかなか出られなくてやる気が出ないといったものが考えられます。中には「そんな理由で?」と驚くような内容だったりもしますが、子どもの時期というのは心が揺らぎやすく、モチベーションを高く維持し続けるのは困難です。

なので、まずは子どもの言いたいことを聞いて受け入れてあげましょう。その後、一緒に改善策を考えてあげましょう。チームメートからの悪口なら「見返せるように上手くなろう」。指導者が怖いなら「期待して厳しくしてくれているんだよ」と、練習がきつい場合や出場機会が少ない場合なら「家でも練習して、体力をつけて、試合に出られるように頑張ろう」という声かけもいいかもしれません。

難しい場合は、一度、チームの指導者に相談するのもいいかもしれません。野球をやって来た指導者であれば、練習に行きたくないと思った時にどうやって乗り越えたかを教えてくれることもあります。

出場機会に恵まれなくてもできること

○自分の子どもの出場機会が少なく、グラウンドから足が遠のく

親であれば、我が子が試合で活躍する姿を見たいと思うのは当然かと思います。しかし、野球は試合に出るだけがすべてではありません。子どもたちは、試合に出ること以外で活躍している可能性があります。

よく高校野球の解説などで「このチームはベンチワークがいいですね」という言葉を耳にします。このベンチワークとは、試合中のベンチ内の連携のことで、声かけやランナーコーチャー、バット引きなど試合を自分たちのリズムで進めていくために重要な動きです。

また、「ムードメーカー」も試合の流れを良くする存在です。プロ野球では、ソフトバンクの松田宣浩選手の「熱男」パフォーマンスが有名ですが、プレーをしなくても活躍する選手の代表例と言えるでしょう。

もしかすると試合に出なくても、このような「ベンチワーク」や「ムービーメーカー」として活躍しているかもしれません。そして何よりも重要なのが、「子どもが野球を楽しんでいるかどうか」です。試合に参加するだけで楽しいと感じる子どもたちもいるのです。

我が子が試合に出なくても楽しんでいるのであれば、その楽しんでいる姿を見るためにグラウンドへ足を運んではいかがでしょうか。

【後編に続く】

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