やらせ? 演出? 性的被害の中国女子テニス選手の〝直近動画〟公開も真偽不明

彭と見られる人物(右から2人目)の動画(ロイター)

いったい何が真実なのか。女子テニスの彭帥(35=中国)が中国の張高麗元副首相(75)に性的関係を強要されたと告発した問題で、中国メディア「環球時報」の胡錫進編集長が21日朝、彭と見られる人物の動画をツイッターで公開した。

投稿された動画は、同日午前に北京で開催された青少年向けテニス大会決勝戦の開会式。胡氏は「彭さんが姿を現した」「写真記者が彼女の姿をとらえた」とつづり、来賓者として司会者に紹介された彭が笑顔で手を振る様子が写っている。だが、彭の肉声は収められておらず、動画を公開した目的や真偽はいまだベールに包まれている。

先日は中国の国営メディアが彭本人が「性的暴行は事実ではない」と送ったとされるとメールを公表。これに対して、女子テニス協会(WTA)はメールを〝ねつ造〟と疑う声明を発表するなど消息不明となっていた。現在、SNSでは「#WhereIsPengShuai(彭はどこ?」というハッシュタグが拡散され、日本の女子エース大坂なおみ(日清食品)や男子世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)ら多くの関係者が安否を気遣っている。

この日の動画について「信じていいものか?」「フェイク動画か」と真偽を疑う声が多く、中には「限られた拍手でスタジアムは空っぽ。演出では?」と指摘する意見もある。騒動が国際問題に発展しつつあるだけに、疑惑を打ち消す狙いがあるのか。今後の動向からますまず目が離せなくなっている。

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