「不倫」はNG 中国女子テニス選手〝性的被害騒動〟で問われるメディア表記

ネットで公開された彭帥とされる人物の動画(ロイター)

不倫ではなく強姦? 女子テニスの彭帥(35=中国)が中国の張高麗元副首相(75)に性的関係を強要されたと告発した問題を巡り、メディアの表記が問われている。

彭がSNSで性的被害を告発したのは今月2日。張氏に性行為を「強要」されたと訴えたが、投稿はすぐに削除された。その後、彭は行方不明となって安否が心配されてきたが、一連の報道で「不倫」と表記するメディアに批判の声が向けられている。国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏はツイッターで「世界の見出しは『性暴力』になっていますよ」とつづり、日本のメディアに散見する「不倫」の表記を疑問視。さらに「sexual assault」は「性加害」を意味する旨を併記して「不倫というアングルで報道するのは間違いだと思います」と発信している。また、同様の意見はSNSで多く見られ、同騒動のメディアの表記に対する監視の目は強まっている。

現在、彭は消息不明とされているが、複数のメディアが近影の動画を公開。また、本人が「性的暴行は事実ではない」と送ったとされるとメールも公表されたが、女子テニス協会(WTA)はメールを〝ねつ造〟と疑っており、安否については真偽不明の状況が続いている。

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