戦争の史実に基づく2作品「復讐者たち」「ちむぐりさ」 11月27日に山口市で上映

▲「復讐者たち」©2020 Getaway Pictures GmbH & Jooyaa Film GmbH, UCM United Channels Movies, Phiphen Pictures, cine plus, Bayerischer Rundfunk, Sky, ARTE

 11月27日(土)に山口県教育会館(山口市大手町2)で、西京シネクラブ主催の映画上映会が開かれ、戦時中の実話を基にした作品が2本上映される。  

「復讐者たち」

 一つ目は、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に対する復讐として、ユダヤ人がナチスの残党を殺害していた実録サスペンス「復讐者たち」(2021年、ドイツ、イスラエル)で、上映時間は、午前10時半、午後1時半、7時からの3回。監督・脚本を手掛けたのはイスラエル出身のドロン・パズとヨアヴ・パズ兄弟。彼らは復讐計画に実際に関わった人々へ時間をかけて取材し、原題でもある「プランA」の真相をリアルに描き出した。「あなたの家族が殺されたなら、どうするか?」という問いかけで始まる本作品は、凄惨な歴史を風化させないだけでなく、人間の本質にも迫る。   

 舞台は1945年、敗戦直後のドイツ。妻子をナチスに殺害されたユダヤ人男性のマックスは、激しい復讐心を抱き、ナチスの残党を私刑として殺害しているユダヤ旅団と行動を共にする。やがて、さらに過激なユダヤ人組織「ナカム」の一員となるが、そこで600万ものドイツ人を標的にした復讐計画プランAが動き出しているのを知る―。    

「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」

 二つ目は沖縄テレビ放送のキャスターでもある平良いずみ監督によるドキュメンタリー「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」(2020年、日本)で、午後4時から。

▲「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」© 沖縄テレビ放送

 沖縄の方言には「悲しい」という言葉はなく、それに近い意味を持つ言葉が「肝(ちむ)ぐりさ」だ。    

 石川県からやって来た15歳の坂本菜の花さんが通う沖縄のフリースクールは、中高生もいるが、夜間中学に通う高齢者もいる。そこで人々と心通わせ、戦争体験、米軍基地の問題などさまざまな見聞を重ねていく。故郷の北陸中日新聞にコラム「菜の花の沖縄日記」を連載する彼女を、カメラが追う。    

 平良監督は1977年沖縄県生まれ。琉球大学法学部へ進学し、1999年OTV(沖縄テレビ放送)に入社した。本作品は、沖縄テレビ放送の開局60周年を記念して製作され、2018年に第38回「地方の時代」映像祭グランプリに輝いたドキュメンタリー番組「菜の花の沖縄日記」に未公開シーンを加えて映画化された。   

 前売り券は一般1500円。同館、山口市民会館、YCAMなどで購入でき、電話予約・当日受け取りでも適用される。当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。予約・問い合わせは、西京シネクラブ(TEL083-928-2688)へ。

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