阪神救援陣の救世主だ! 育成左腕・島本が来季中にも〝復帰〟へ

2019年には63試合に登板した島本(東スポWeb)

救援左腕の救世主となれるか。阪神秋季練習は24日に全日程を終了。約2週間の間、一、二軍の投手陣が合同で練習を行った鳴尾浜球場で選手たちを指導した金村曉投手コーチ(45)も「二軍の選手も含め、さまざまな選手たちを見ることができて楽しかった。来季へ向け楽しみな選手たちもいたし、みんなよくアピールしてくれた」と充実感を漂わせた。

ブルペンを預かる同コーチのミッションは来季へ向けた中継ぎ陣の再整備だ。伝統的に強力なリリーフ陣を擁してきた阪神だが、今季はセットアッパーの岩崎と守護神のスアレスへつなぐ「7回の男」をなかなか固定することができずやり繰りに苦労。救援陣全体の防御率も3・80と低調な結果に終わった。

来季も阪神の勝ちパターン継投の中核を担うのは、今夏の東京五輪日本代表にも選出された岩崎。だが、長年の蓄積疲労からくるコンディション不安を慢性的に抱える左腕の負担をこれ以上増やすわけにもいかない。岩崎は今季もレギュラーシーズンだけで62試合に登板したが「来季はそれ以上投げさせるようなことはしたくない。理想は50試合くらいに抑えてあげたいよね。優(岩崎)を常にいい状態のまま投げさせられることが可能な陣容を整えることが理想」と金村コーチは語る。

今季39試合に登板し防御率3・69と奮闘した高卒2年目左腕・及川は来季から先発へ挑戦。手薄になった救援左腕の穴を埋めるため新たなサウスポーの台頭が求められるが、チームには明るいニュースもある。2019年に中継ぎ左腕として63試合に登板し防御率1・67と抜群の数字を残した島本浩也投手(28)の復活だ。

昨年11月にトミー・ジョン手術を受けた左腕は今季は育成選手としてリハビリに専念。金村コーチも「もうちょっと時間はかかるかもしれないけど(2月の)キャンプで本格的にブルペンに入ることはできると思う。開幕は無理でも来季中に帰ってきてくれるかな」と見通しを口にする。

強力なブルペンの存在はいつの時代も阪神の生命線。新加入選手だけでなく、現有戦力組の成長、復活にも期待したい。

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