韓国LG製のバッテリー搭載車が炎上 今度はルノーのEVが全焼で住民避難 終わらない「火災物語」

韓国LG製のバッテリーを搭載した電気自動車でまた火災が発生した。

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25日、韓国メディアなどによると、最近、忠清北道の忠州市にあるマンション地下駐車場において、充電中だったルノーサムスンの電気自動車「SM3」から火災が発生した。住民たちも緊急避難した。火災現場に到着した消防隊は火災車両を近くの忠州総合運動場に移して80分かけて消火した。

当該火災事故写真/忠州消防署

消防隊関係者によると、火災による追加拡大被害を遮断するため、総合運動場に火災車両を移して火災鎮火作業を進めた。電気自動車火災はバッテリーから出る副産物や高い熱のため、一般火災より火災の鎮圧が難しいとされる。消防当局によると、現在合同調査が進められており、精密調査を行う関係上、火災源の究明には多少時間がかかるとのこと。

SM3での火災は今回が初めてではない。これに先立ち、今年8月には一家4人が搭乗し高速道路を走っていたSM3から火災が発生し全焼したことがある。ただし、この時の火災原因はバッテリーではないことが明らかになっている。

SM3は2013年に韓国で初めて発売され、昨年まで販売された後、廃止されたモデルだ。火災が発生した車両はいずれも第2世代モデルと伝えられる。第2世代モデルにはLGの電池専門企業であるLGエナジーソリューション(LGES)のバッテリーが搭載された。

今年7月にあった米で発生したボルトEV火災写真/米エレクトリック紙

これまでLGエナジーソリューションのバッテリーを搭載した電気自動車では、現代自動車のコナEVや米GMのボルトEVなどで相次ぎ火災事故が発生しており、LG側は数千億円規模の賠償を行う予定だ。EVバッテリー市場で世界シェア1位を争っているLGとしては、火災事故という悪いイメージを早く払拭したいところだが、今回のSM3の火災事故の原因次第では再び悪材料に火が付く可能性が高い。

一方、LGエナジーソリューションは来年1月末に有価証券市場(コスピ)に上場する予定であると伝えらえた。有価証券市場本部はLGエナジーソリューションの上場予備審査を推進中であるとされる。上場によって最高10兆円の市場価値が一時予想されていたが、相次ぐ連続悪材料により、より低い価値に留まるとみられる。今年9月にボルトEVで火災事故が発生した際には、「火災物語にさらに燃料を追加した」と米紙に報じられた。

参考記事:韓国LGが賠償する「ボルトEV」でまた事故 「火災物語にさらに燃料を追加」米紙

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