国際オリンピック委員会(IOC)の古参メンバーとして知られるディック・パウンド氏が、中国の女子テニス選手・彭帥失踪問題についてインタビューに答えたが、あまりの他人事ぶりに非難の声が上がっている。
パウンド氏は米「CNN」で、中国の元副首相・張高麗氏から性的関係を強要され、不倫関係になったことを告白後、失踪した彭についてインタビューに応じた。バッハ会長が彭とビデオ通話をし、IOCは安全を確認したと発表。しかし人権団体などから「中国政府に協力している」などと批判されていることに対し、パウンド氏は「困惑している」と語った。
さらに当事者意識がまるで感じられない姿勢に、非難の声が上がった。誰もが本当にビデオ通話が行われたのか疑問視するなか、インタビュアーから「ビデオを見たか?」と問われたパウンド氏は「ビデオは(自分では)見ていない」と、のんきな発言。また、女子ツアーを統括し、彭問題について真っ先に切り込んだ女子ツアーを統括する「WTA」を男子ツアーの「ATP」と言い間違える場面もあった。
これにはブーイングの嵐。女子テニスのレジェンドであるパム・シュライバーさんは、ツイッターで「パウンド氏はWTAをATPと間違えた。この深刻な状況で、この声がIOCの主要な声となることができるでしょうか」と批判。ツイッター上では、無責任ぶりにあきれる声が上がっている。
おっとり貴族軍団には手に負えない問題なのかもしれない。