【九州場所】阿炎 “問題児” から一変!12勝でVキーマン 恩師もホッ「大人になったなと」

格上の貴景勝(右)を押し相撲で下した阿炎(東スポWeb)

〝改心〟で快進撃だ。大相撲九州場所13日目(26日、福岡国際センター)、平幕の阿炎(27=錣山)が大関貴景勝(25=常盤山)を押し出して12勝目。1敗同士の対決を制して、優勝戦線に踏みとどまった。取組後は「大関の胸を借りるつもりでいきました。いつも通り相手を研究して備えた。良かったと思います」と格上を撃破した一番を振り返った。

かつては奔放な言動が目立ち、日本相撲協会の研修会後に「寝てたし、聞いてねーし」と軽口をたたいて厳重注意を受けたこともあった。昨年7月場所中には、不要不急の外出が禁止されている中でキャバクラ通いが発覚。出場停止3場所などの処分を受け、番付は幕下まで転落した。土俵復帰後は問題児ぶりは影をひそめ、すっかり〝優等生〟に変身している。

この日も「相撲と向き合うと決めた。復帰させてもらうからには、感謝の気持ちを忘れず相撲と向き合わないと成長できない」と真摯な言葉を並べた。千葉・流山南高時代の恩師の小川清彦氏(明大相撲部総監督)も「今はインタビューなどを見ても、大人になったなと思う。それは(本人と連絡を)やり取りをしている中でも感じる」と印象を語っている。

14日目(27日)は全勝の横綱照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)との大一番。金星獲得の成否は別にして、もう以前のような姿に逆戻りする可能性はなさそうだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社