ファイザー/ビオンテック/モデルナ社の「オミクロン株」に対するワクチンへの効果に期待。それぞれ株価上昇 各社対応できるワクチンの準備に調査、分析を開始している

By 前田静吾

オミクロン株が11月中旬に南アフリカの検体から見つかったが、エスケープバリアントの可能性から各国の入国規制などの水際対策のニュースが続々と発表される中、ファイザー/ビオンテック社やモデルナ社らがオミクロン株に対するワクチンへの速やかな対応をする発表がなされている。それぞれの株価は期待感から上昇した。

100日で必要な手直しをして出荷が可能だ/ファイザー社とビオンテック社

ビオンテック社は、この変異株に関して懸念が高まる中で、コメントを求められたに「専門家の懸念を理解し、直ちにオミクロン株の調査を開始しました。遅くとも2週間以内には、実験室での検査によるデータが得られると考えています。これらのデータは、オミクロン株がこれまでの変異株よりも感染力が高く、一度かかった人やワクチンを打った人で備わった免疫をすり抜けて感染が広がってしまうエスケープバリアントである可能性を分析し、世界的に広がった場合には、ワクチンの調整が必要になる可能性があるかどうかについて、より多くの情報を提供することが出来る」
ファイザー社とビオンテック社は、11月26日金曜日の発表の中で、必要であれば、約100日後にオミクロン株に合わせた新しいワクチンを出荷できる見込みであると述べています。

オミクロン株に対応するワクチンmRNA-1273.529の開発を急ぐ/モデルナ社

モデルナ社も11月26日金曜日声明を発表しており、現状は「認可されたワクチンのブースター投与が、低下した免疫を高めるための現在利用可能な唯一の戦略である」と述べ、新しい変異種オミクロンに合わせたブースター候補の開発に取り組んでおり、それに加えて、既存のブースターの高用量のテストや、複数のバリアントを防御するように設計された他のブースター候補の研究も行っている」と述べています。

モデルナ社は、オミクロン株に対するmRNA-1273.529の開発を急いで進める予定です。先立って試験が進む変異株向けのワクチンmRNA-1273.211やmRNA-1273.213、それにすでに認可済みのmRNA-1273の高用量投与がオミクロンにどうかの検討も進めています。

対応できるワクチンへの期待に株式市場も反応

これらのニュースを受けてビオンテック社のADRは14.2%増の348ドル、ファイザー社の株式は6.1%増の54ドル、モデナ社は20.6%増の329.63ドルとワクチンへの期待を反応し、それぞれ株価が上昇した。今後発表される分析結果が待たれる。

参考英文ニュース

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