ヤクルトは配置転換に成功、巨人とDeNAは不安定… セ6球団のクローザーを診断

ヤクルトのスコット・マクガフ、広島の栗林良吏、阪神のロベルト・スアレス(左から)【写真:荒川祐史】

阪神スアレスが2年連続タイトル、広島栗林は新人最多セーブ

2021年のプロ野球もついにシーズンオフ。「SMBC日本シリーズ2021」を戦ったヤクルトとオリックスに共通しているのは抑え投手がしっかりしているということ。現代野球では充実した救援陣がチーム浮沈の鍵を限る。ここでは2021年セ・リーグ6球団のクローザーを診断する。5セーブ以上をあげた投手は以下の通りだ。

〇ヤクルト
S・マクガフ 66試合3勝2敗14ホールド、31セーブ、防御率2.52
石山泰稚 58試合0勝5敗9ホールド、10セーブ、防御率3.60

〇阪神
R・スアレス 62試合1勝1敗0ホールド、42セーブ、防御率1.16

〇巨人
T・ビエイラ 56試合0勝3敗1ホールド、19セーブ、防御率2.93
R・デラロサ 46試合、1勝0敗13ホールド、7セーブ、防御率2.83

〇広島
栗林良吏 53試合0勝1敗0ホールド、37セーブ、防御率0・86

〇中日
R・マルティネス 49試合1勝4敗0ホールド、23セーブ、防御率2.06
又吉克樹 66試合3勝2敗33ホールド、8セーブ、防御率1.28
祖父江大輔 55試合1勝2敗19ホールド、5セーブ、防御率2.59

〇DeNA
三島一輝 59試合3勝5敗1ホールド、23セーブ、防御率4.08

燕マクガフは5月下旬から抑えに、DeNA三嶋は防御率4点台

優勝したヤクルトは昨季20セーブの石山が不調。来日3年目のマクガフが5月下旬に抑えに配置転換され、6月には球団記録の月間10セーブをマーク。米国代表として出場した東京五輪後の後半戦も27登板で15セーブを挙げて優勝に貢献した。

阪神のスアレスは2年連続で最多セーブ投手のタイトルを手にした。5月に月間MVPを受賞するなど序盤戦のチームの快進撃を牽引。黒星は7月1日のヤクルト戦の1度だけだった。

巨人は昨季19セーブのデラロサが開幕から抑えを務めたが、4月中旬に米国へ一時帰国、6月に怪我で離脱すると、ビエイラがクローザーを任された。外国人最長の32試合連続無失点を記録するなど7・8月度の月間MVPを受賞する活躍だったが、9月に故障で離脱。復帰後も精彩を欠いた。

広島ドラ1栗林は、2015年のDeNA山崎に並ぶ新人最多の37セーブをマークした。新人記録となる開幕から22試合連続無失点を記録した他、歴代2位タイとなる20試合連続セーブでシーズンを終えた。奪三振率13.93は今季セーブを挙げたセ投手の中で断トツ。圧倒的な投球を続けた。

中日はR・マルティネスが23セーブをマーク。コロナ禍で調整が遅れていたシーズン開幕当初や、キューバ代表として参加した東京五輪予選期間中などは祖父江や又吉が代役を務めた。最も苦労したのはDeNA。昨季途中からクローザーを担う三嶋は23セーブをマークしたが、防御率は4.08。7、9、10月の防御率が7点台で好不調の波が激しかった。(Full-Count編集部)

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