ソフトバンク・田中正義投手（２７）が１日、ペイペイドームで契約を更改し、２００万円アップの１３００万円でサインした。プロ５年目で初の昇給。今季は救援で１８試合に登板して防御率２・１６と存在を示した。
「チームに対しては何もしていないに等しい一年ですけど、自分にとっては大きな一年でした。やってきたことが形になるかもしれないっていう希望が見えてきているんで、このオフは一生懸命やるしかないと思っています」
２０１６年ドラフト５球団競合右腕にとっては、ようやく手応えを感じられたシーズンだった。
首脳陣の来季構想では先発候補に入っている。「意気に感じて、本気でローテーションに入っていくんだという気持ち」
宮崎秋季キャンプでは、藤本監督が〝ＭＶＰ〟の一人に挙げた。入団以来、故障に苦しみながらも懸命にはい上がってきた田中の姿を三軍監督、二軍監督として見守ってきた指揮官には、さらにたくましくなった右腕の姿が頼もしく映っている。
フロント、現場首脳陣の期待値の高さを「意気」に感じられる心の余裕が出てきた。何事も前向きに捉えられるマインドと合わせて、知識の吸収にも意欲的だ。
１月にはかねて尊敬する千賀の自主トレに帯同する。「野球への取り組み方、チームを背負って投げる姿を勉強させてもらいたい」。心技体でエースのエキスを吸収して、進化を誓う。
「キャンプ、オープン戦の競争全部を勝ち取って、まずはローテーションに入らないと（その先は）見えてこない。そこを目指して、次は１勝、その次は２勝とやっていきたい」。飛躍の足がかりはつかんだ。高い志を持って、来季は結果にこだわる。（金額は推定）
