【新型コロナ】横浜市、オミクロン株監視強化へゲノム解析 市大など連携

横浜市役所

 国内で初確認された変異ウイルス「オミクロン株」の監視体制を強化するため、横浜市は横浜市立大、東京大先端科学技術研究センターと連携し、市内で発生した新型コロナウイルスの遺伝情報(ゲノム)を解析して株の種類を判別する「ゲノム解析」に乗り出す。来年1月の運用開始を目指しており、新たな変異株の発生状況を早期に把握することで、感染拡大の防止につなげたい考えだ。

 自治体によるゲノム解析は、神奈川県内では川崎市に次いで2例目。横浜市は、市会第4回定例会に提出する2021年度一般会計12月補正予算案に、関連事業費2500万円を盛り込む方針。

 横浜市大には「次世代シーケンサー」と呼ばれるゲノム解析装置を有する研究施設があり、市内の医療機関で収集する患者の唾液サンプルを無作為抽出して解析。感染株の全ての遺伝子情報を特定して新たな変異株かどうかを判別する。解析件数は月100件程度を想定しているという。

 ゲノム解析を巡っては、市も独自で行うために10月上旬から準備を始め、市衛生研究所(同市金沢区)に次世代シーケンサーを導入した上で来年4月以降にスタートさせる予定だったが、自治体主体でゲノム解析を行うよう求める国の要請を受け、市大などと連携して体制を整えた。

 山中竹春市長は11月26日の定例会見で、ゲノム解析について「変異株の兆候データを蓄積して国や他の自治体と共有することで、より良い監視体制ができる」と述べ、早期の運用開始に意欲を示していた。

 市健康福祉局の担当者によると、ゲノム解析の結果は国や研究機関と共有するほか、市のホームページでも公表し、医療現場などで役立ててもらうという。

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