検証と改善を徹底 市長選・衆院選など 複数の不適切事務 上越市選挙管理委

 上越市選挙管理委員会(池田明委員長)は1日、市役所会議室で定例会を開き、10月31日の市長選挙等における選挙事務の検証などを協議した。投開票作業で問題が相次いだことから、検証と改善を徹底する方針を確認した。

市長選挙等における選挙事務の検証などを報告、協議した上越市選挙管理委員会定例会

 今回の選挙に関しては投票、開票作業で複数の不適切な事務の取り扱いが発生した。市選管は第三者的な立場からの検証が必要と判断し、市長部局に検証作業を要請。この日は、報告のあった投票所での投票用紙の交付誤り、投票状況確定速報の訂正、混入票処理の停滞に伴う開票結果の確定遅延の3件について協議した。確認団体によるビラとポスター作製の指導誤り事案は、検証が続いているという。関係する職員の懲戒処分等は全ての検証を踏まえ、別途検討するとしている。

 市の検証結果によると、三つの不適切事案は、市選管の組織上の課題(情報の不共有、開票時の確認・指揮命令系統の機能不全)と、五つの選挙が重なったことで作業量が増加し、計画した人員や既存の手法では対応しきれず、事前準備不足も重なり、発生したと分析。改善策として、市選管における必要な人員・体制の確保、知識や経験を有する後継者の育成などの組織体制の見直し、複数選挙や不測の事態を想定した事前準備、投開票時の業務フローやマニュアルの再構築と徹底を指摘している。

 この日の委員会では委員から、担当している職員の認識の問題、初めて選挙事務に携わる職員へのフォロー、全体の流れを見る人の不足感などの他、有権者の側にも投票所の配置図などを事前に周知することなどが指摘された。

 池田委員長は、衆院選の日程確定が遅れ選挙の段取りが組めなかったこと、複数選挙が重なったことによる職員への負担を挙げつつ、「来年は参院選や知事選もある。このような事務作業のミスがないよう徹底した事務改善を図っていく」と話した。

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