サノフィは12月1日、Origimm Biotechnologyを買収を発表。この買収で、にきびを対象とするワクチンORI-001を同社のパイプラインに組み込むこととなった。この発表は、投資家向けのイベントで行われ、最近設立したmRNAセンタを活用した研究用ワクチンのパイプラインもが紹介されました。
遺伝子組み換えタンパク質をベースとしたにきび対象のワクチンORI-001
ORI-001は、遺伝子組み換えタンパク質をベースにしており、第3四半期に予備的な臨床試験を開始しています。サノフィは、今後、抗原バージョンの追加開発にも取り組み、次世代mRNAプラットフォームを用いた第I/II相試験を2023年に開始する予定であると述べています。今月中に完了予定のこの買収の財務に関する条件は公表されていません。
サノフィ・パスツールのグローバル責任者であるトーマス・トリオンフ氏は、「Origimm社の買収により、ニキビに対する最初のワクチン候補を得て、当社のワクチン研究開発パイプラインがさらに広がります。皮膚微生物関連疾患の免疫調節のための抗原探索の専門知識がもたらされる」と述べています。
2025年までに10種のワクチンの臨床を開始へ
サノフィ社は、投資家向けイベントで、2025年までに10種のワクチン候補の臨書試験を開始する計画で、そのうち6種類はmRNA技術を用いてクラミジアやニキビなどの疾患に取り組むと述べました。トリオンフ氏は、以下のように述べています。
「サノフィはワクチンの世界的リーダーとして、病気の予防に適用できる次世代のmRNAやその他の技術に向けて迅速に移行することで、ワクチンの真の可能性を引き出すことができるユニークな立場にあります」
今年初め、サノフィは、COVID-19を含む感染症の病原体に対するmRNAワクチンを開発するため、Translate Bio社を約32億ドルで買収しています。また、、バイドゥのmRNA最適化プラットフォームを利用して、mRNAベースの次世代ワクチンや治療薬の開発を進めています。
Covid-19ではなくインフルエンザ用のmRNAの開発に注力
サノフィは今年9月に、COVID-19 mRNAワクチンの開発を中止しました。これは、もはや新規参入者のための市場ではないと判断し、mRNAの開発をインフルエンザに振り向けるためです。
mRNAワクチン候補の一つがインフルエンザで有望であると述べており、45mcgの用量で100%のセロコンバージョンを示しました。しかし、同じ用量のワクチン候補は89%の反応原性を示し、サノフィ社はこれは「改善」する必要があると述べています。
サノフィ社は、現在、非ヒト霊長類で同様の免疫原性を示した修正mRNAに軸足を移していると説明しています。今後は、2022年前半に1価ワクチン、後半に4価ワクチンの臨床試験を開始し、2023年には第3相試験を開始する予定です。
成長見通しを発表
サノフィは、12月1日の投資家向けのイベントで、Origimm Biotechnologyの買収を発表し、同社のパイプラインへのにきびワクチンが加わったことを発表しました。
また、サノフィは、ワクチン部門でのインフルエンザワクチン候補の開発など今後も積極的な投資を計画しており、中期的な売上高の成長するとの見通しを発表しています。
これらは、インフルエンザ、髄膜炎、ポリオ/百日咳/Hib、ブースターの4つの主要フランチャイズが成長の原動力となるほか、乳幼児のすべてのRSウイルス感染症に対する保護を目的としたモノクローナル抗体、ニルセビマブの発売も予定され、これらが中期的な成長を支えるとしています。
参考英文ニュース
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