日産自動車(横浜市西区)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、月面探査車の共同開発を進めている。2日には、日産の独自技術を駆使した試作機を報道陣に公開。月面の砂で車輪が空転するのを防ぐメカニズムを披露した。27日まで日産グローバル本社で一般展示している。
月の表面は細かな砂で覆われているため、探査車の車輪が埋もれて動けなくなる「スタック」が発生しやすい。日産とJAXAは課題の解決に向け、昨年初頭に共同研究を開始。スタックを避けつつ、限られた電力で効率的に無人走行させる試験を繰り返してきた。
試作機は全長、幅ともに約1.6メートルで、日産が新型電気自動車(EV)「アリア」に搭載する先進技術を採用。探査車の推進力と砂による抵抗の状態を見極め、4基のモーターがそれぞれの車輪を制御することで、回転を緻密に調整して走行する様子が公開された。