郷土愛

© 株式会社長崎新聞社

 例えば夏の甲子園で県勢が活躍すると、やっぱり、うれしく、誇らしい。逆に県勢が敗退した後は、途端に興味が薄れる。自らが育った地域に愛着を抱く心情-。それが郷土愛▲先月下旬、その思いを強く感じさせてくれた大会があった。県勢4人が出走した全日本実業団対抗女子駅伝。4人はいずれも好走して、生中継のテレビに何度も映し出された▲初優勝した積水化学からは県立諫早高出身の森智香子、弟子丸小春選手が出場。優勝インタビューで見せた2人の笑顔は実にすがすがしかった。8位入賞したワコールの2区を務めたのは県立大村高出身の井手彩乃選手。彼女はたすきを受けた後、先頭に出てレースを引っ張った▲圧巻は長崎市立長崎商高出身で日本郵政グループの廣中璃梨佳選手。エース区間の3区で10人抜き、区間1位の快走で、中学時代から続く自身の駅伝不敗記録を更新した▲レース後、夢を見てみた。この4人が新春の都道府県対抗駅伝でたすきをつないだらどうなるだろうと。優勝争いに絡むのは間違いないだろうなと▲残念ながら、県外在住の実業団選手は2人までという規定がある。でも、4人は「長崎から出たい」と熱望しているという。何とかならんかな、と思いつつ、20代のランナーたちの郷土愛が、うれしく、誇らしい。(城)