高校サッカー100回目の冬

 通算勝利数は98で8位、優勝回数は7で6位-。何の数字かパッと分かる方は、かなりの「サッカー通」だろう。今冬、第100回の節目を迎える全国高校選手権の県勢の成績だ▲冬の選手権は第8回大会まで予選がなく、関西地区の学校だけで開かれていた。全国大会となったのは第9回大会以降。冒頭の勝利数は、県勢がそこから積み上げた数字である▲このうち、小嶺忠敏氏が率いていた県立国見高の勝利数は66。帝京高(東京)の78に次ぐ全国2位で、優勝回数6は戦後最多タイ記録だ。「長崎は国見だけ」と言われたころもあったが、ずっと全国のトップを走っていた▲そんな名将は現在76歳。今も長崎総合科学大付高で監督を務め、過去10年間で7回も選手権に出場している。情熱は少しも衰えていない▲一方で小嶺氏が「今は簡単には勝てない時代だよ」と口にしているように、県勢は2004年度以降、4強以上がない。「強い長崎」の復活を願っているサッカーファンは少なくないだろう▲その代表を決める県大会は14日の決勝を残すのみとなった。勝ち上がってきたのは、小嶺氏の長崎総合科学大付高と国見を倒してきた新興勢力の創成館高。どちらが勝っても節目にふさわしい代表で、県勢の「100回大会で100勝達成」を期待できる好チームだ。(城)


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