「巣ごもり」で体力低下? 表丹沢下山中の遭難事故多発 秦野の臨時警備派出所が閉所

秦野署の竹田署長(右)にピッケルを返還する署山岳遭難救助隊の望月隊長=秦野署

 登山シーズンを終え、神奈川県警秦野署は7日、丹沢の山岳救助の拠点「丹沢臨時警備派出所」(秦野市戸川)を閉所した。新型コロナウイルスの影響で屋外のレジャーを楽しむ人が増える一方、「巣ごもり」で体力が低下し、下山中の遭難事故が多かったという。

 署によると、署が管轄する表丹沢と呼ばれるエリアでの1月から12月6日までの山岳遭難事故発生件数は27件(前年比6件増)で、救助人数は29人(同5人増)だった。

 原因の最多は「疲労(10件)」で、初心者だけでなく経験者もコロナ禍で体力が落ち、下山できないケースが多かったという。次いで「道迷い(6件)」、「病気(5件)」だった。救助された29人中、登山届を提出していた人は9人だった。

 閉所式は署で行われ、同署の山岳遭難救助隊員ら約10人が出席。隊長の望月章仁地域課長が、竹田茂署長に部隊のシンボルのピッケルを返還した。望月隊長は「年末年始も初日の出を見に行く登山者もいる。防寒着やヘッドライトなどの装備、無理のない登山計画を立てて登ってほしい」と話した。

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