世界的に木材価格が高騰する「ウッドショック」の影響で、神奈川県山北町は8日までに2019年に取り壊した山北体育館(同町山北)の建て替え計画を見送る方針を固めた。新施設のオープンは当初予定から少なくとも2年遅れ、町は体育館跡地を暫定的に無料駐車場として利用していく。
体育館は1959年に完成し、長らく柔道の練習場や地域の集会施設として利用されてきた。しかし、老朽化や耐震強度不足から2018年に閉鎖。町は規模を縮小した上で代替となる木造2階建ての多目的施設(延べ床面積約600平方メートル)を22年度に着工し、23年度の供用開始を目指していた。
しかし、新型コロナウイルス禍による伐採量減少と米国での新築住宅需要の急増により輸入木材価格が高騰。町は「工事費用が増えるだけでなく木材調達も困難。鋼材の価格も急騰している」として早期の事業着手を断念した。オープンは25年度までずれ込む見通しとしている。
一方、跡地周辺では週末、大野山のハイキング客による無断駐車も多いことから町は跡地を暫定的に観光客向けの駐車場として利用することを決めた。