「5者協議 先行き不透明」 9の日座り込み 被爆体験者訴訟団長が心境

核兵器廃絶を訴え、座り込みをする参加者=長崎市、平和公園

 被爆者や市民が核兵器廃絶を訴える「反核9の日座り込み」が9日、長崎市松山町の平和公園であった。広島原爆投下直後に降った「黒い雨」を巡る被爆者認定制度の改正に向けた、厚生労働省と長崎、広島両県市の5者協議について、被爆体験者訴訟の山内武団長(78)は「光は見えているが、どうなるかまだ分からない」との心境を語った。
 黒い雨を巡る訴訟は7月、原告全員を被爆者と認める広島高裁判決が確定。政府は原告以外の「同じような事情」にあった人も救済する、とした首相談話を閣議決定しており、国の指定地域外で長崎原爆に遭った「被爆体験者」への救済につながるか、注目される。
 マイクを手にした山内氏は「広島が認められたので、(救済が)進むかと思ったが、なかなか前に進まない」との思いを明かした。係争中の訴訟については「長くなるかもしれないが、これからも頑張っていきたい」と語った。
 県平和運動センターなどが主催し、通算472回目。約90人が参加した。


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