トヨタのオジエがGRヤリス・ラリー1を初テスト「第一印象はポジティブ」/WRC

 2022年シーズンはパートタイムでWRC世界ラリー選手権に参戦するセバスチャン・オジエ。8度のワールドチャンピオンは先週末、TOYOTA GAZOO Racing WRTの新型WRCマシンである『トヨタGRヤリス・ラリー1』での初テストに臨み、2日間の走行を終えた。

 先月イタリア、モンツァで自身通算8回目の王座を獲得したオジエは、来季開幕戦のラリー・モンテカルロを前に、フレンチアルプスで新型ハイブリッドラリーカーをテストした。彼は晴天に恵まれた土曜と日曜の2日間、ともにドライコンディションでの走行を楽しんでいる。

 今シーズン限りでフルタイムドライバーを引退し、2022年シーズンはエサペッカ・ラッピとマシンをシェアしながら複数のラウンドに出場を予定している現王者は、すでに出場を公言しているモンテカルロに向け、もう1日テストを行う予定だ。

「この新しい(ハイブリッド)テクノロジーはこれまでと違うものであり、もちろんチームにとってはちょっとした挑戦だ。また、ドライバーにとってもチャレンジになるだろう」と語ったオジエ。

「だが、最初のテストは僕にとっては有意義なものだった。(クルマの)第一印象はポジティブだったよ」

「このクルマは過去5年間に慣れ親しんだものとは違った反応を示す。僕たちは回生ブレーキや電気ブーストの使い方やその調整など、新しいパラメーターに慣れる必要がある」

「それは僕たちドライバーにとってはエキサイティングなことだ。これは新しいものであり、このような新しいものがあるといつもシーズンへの期待が高まるんだ」

 オジエはこのテストで、電気モーターによる100kW分のブーストと、従来規定からキャリーオーバーされた1.6リットル直噴4気筒ターボエンジンのパワーを合わせて最高出力500PSを超えるラリー1マシンを初めて体験した。このパワーについて彼は次のように語っている。

「誰もがパワーが好きだ」

「ドライバーはつねにパワーを求めているもので、それが実現したときにはとてもうれしい気持ちになるんだ」

 先週末のテストはベンジャミン・ヴェイラが、今月初めに行われたトヨタの体制発表後初めてオジエとラリーカーを走らせた、いわば新しいチャプター(章)の始まりでもあった。

 今季最終戦をもってコドライバーを引退したジュリアン・イングラシアの後を継ぐヴェイラは、これまでも数多くのテストでオジエをサポートしてきた。しかし、このペアで戦うラリーに向けて作業を行ったのは、今回が初めてのことだった。

 トヨタの新型ハイブリッドWRCマシンのテストは今週も引き続き行われ、勝田貴元とエルフィン・エバンスがGRヤリス・ラリー1を走らせたのち、チームメイトのカッレ・ロバンペラが今年最後の走行を予定している。

フレンチアルプスでテストを行うトヨタGRヤリス・ラリー1

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