持続可能な発展へ 糸魚川ジオパーク協と糸魚川白嶺高、連携協定を締結 ジオ学習推進人材育成など

 糸魚川ジオパーク協議会(会長、米田徹糸魚川市長)と県立糸魚川白嶺高(榊厚志校長)は14日、「ジオパーク学習の推進と人材育成」に向けての連携協定を締結した。同市一ノ宮のフォッサマグナミュージアムふるさと展示室で同日、締結式が行われた。

 同協定は防災、地域振興等に関する教育連携を強化することで、相互の魅力アップと人材育成を促進し「糸魚川の持続可能な発展」を図るために締結した。同協議会は新潟大、上越教育大などと連携協定を結んでいるが、高校は初めて。

糸魚川ジオパーク協議会と糸魚川白嶺高の連携協定締結式。米田市長、榊校長が協定書に署名した(14日、フォッサマグナミュージアムふるさと展示室)

 同校は、平成28年12月22日の駅北大火で生徒4人・3世帯が被災したのを受け、翌29年度から防災減災学習に取り組んでいる。「白嶺防災フォーラム」を中心に据え、兵庫県立舞子高、宮城県多賀城高との学習交流などを推進してきた。

 併せて、同館学芸員らの支援を受け、焼山の防災学習、来海沢地区での地滑り現場見学、市街地での標高現地調査など、地域理解探求学習を行ってきた。

 締結式には同協議会の米田市長、福岡肇県糸魚川地域振興局長、永江善昭糸魚川商工会議所副会頭ら、同校の榊校長、青山淳教頭と代表生徒2人が出席。米田市長、榊校長が協定書に署名した。

 冒頭で竹之内耕館長が経過報告を行い「広い視野を持った糸魚川を愛する人材が育ち、糸魚川や日本、世界の未来に貢献していくことを願う」と趣旨説明。榊校長は、これまでの成果を総括し「今後とも連携を強化し、連携状況を検証しながら進めていきたい」と決意を示した。

 米田市長はジオパーク活動と防災減災、SDGsとの関連性などを紹介。「生徒の皆さんが郷土の宝に気付き、能動的に学ぶのに適したフィールド。地域の特性を生かした探求学習が進むことで糸魚川を誇りに思う気持ちや郷土愛が育まれていく」と述べ、今後の成果に期待した。

 生徒代表の横川将太君(2年)は「今までは限られた中での活動だったが、市役所の人たちと関わり、市だけでなく県、日本全国で展開できるようになれば」、松本竜児君(同)は「もっと糸魚川の名を全国に広げていけると思う」と期待を話した。

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