「布マスク」でJIS取得 大村・西日本繊維 素材の組み合わせ工夫

JISを取得した3層構造の布マスクを手にする井手社長=大村市、西日本繊維

 長崎県大村市竹松本町の縫製業、西日本繊維が、自社製造の布マスクで日本産業規格(JIS)を取得。井手眞一郎社長は「国内製造にこだわった安心安全な布マスクを、多くの県民に使ってほしい」と話している。
 新型コロナ禍でマスクの需要が高まる中、政府は今年6月、一般用マスクと医療従事者用マスクを対象にJISを制定。消費者が安心して購入、使用できるよう性能や試験方法の標準化を図っている。
 同社は2020年1月からマスクの製造を手掛け、これまでプリント入りや夏用の布マスクなどを開発。大手ブランドのOEM(相手先ブランドによる生産)も請け負ってきた。
 JISを取得したマスクは、肌触りや吸湿性に優れた生地に、目の細かい綿100%の生地を挟み込んだ3層構造。「息はしやすいが、ウイルスを含む飛沫(ひまつ)や花粉は通さない」という機能を両立させるため、素材の組み合わせを工夫することで一般用マスクのJIS規格に適合させた。
 今月20日ごろから電話で4枚セット(3500円)の予約を開始し、ホームページや店頭では1枚880円で販売する予定。井手社長は「肌に良い素材を使ったり、学校の部活動などでオリジナルのデザインを作ったりできるのが布マスクの強み。用途に合わせて安心して使えるマスクを製造していきたい」と話した。問い合わせは同社(電0957.55.8358)。


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