買い物弱者を送迎 ボランティア団体、企業が連携 佐世保・吉岡町

車から降りて買い物に向かう利用者ら=佐世保市上本山町、マックスバリュ中里店

 長崎県佐世保市吉岡町で17日、高齢者ら買い物弱者を店舗まで車で送迎する「お買い物サロン」が始まった。地域のボランティア団体や、老人ホームなどを運営する会社が連携し、月に数回実施する予定。
 吉岡町第1公民館の野元一徳館長によると、管内は高齢者の割合が高く、気軽に買い物に行けずに困っている人が多い。そこで野元館長が、同町で老人ホームを運営する「いこい」に車での送迎を依頼したところ、同社が快諾した。
 17日は70~80代の女性4人が利用。高齢者支援のボランティア団体「オレンジ吉岡」のメンバーや民生委員が利用者支援のため同乗した。いこいの従業員が運転し、5分ほどでマックスバリュ中里店に到着。買い物をした後、それぞれの自宅まで送り届けた。
 手島イツさん(86)は普段、食料品などは生活協同組合の宅配に頼っており、買い物はタクシーで病院や銀行に行ったついでにする程度だった。「坂が多くて歩くのは大変だから、(お買い物サロンは)助かる。これからも利用したい」と笑顔で話した。
 野元館長は「皆さんに喜んでいただいた。高齢者でも住みやすい地域にしていきたい」と抱負を語った。

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