超大型契約を望むコレア シーガーの契約規模を上回るのは困難か

今オフのFA市場における最大の注目選手であるカルロス・コレアは超大型契約を望んでおり、コリー・シーガーがレンジャーズと結んだ10年3億2500万ドルを超える規模の契約を欲しているとみられる。しかし、コレアは非常に故障の多い選手でもあり、各球団はコレアに10年契約をオファーすることを躊躇っている模様。たとえば9年契約の場合、シーガーの契約総額を超えるには年平均3611万ドルが必要だが、これは野手史上最高額となる。よって、コレアがシーガー以上の契約を手に入れるのは困難であると考えられている。

ロックアウト突入前、アストロズ、カブス、ブレーブス、タイガース、レッドソックス、ドジャース、ヤンキースなどがコレア獲得に興味を示していることが報じられていた。このうち、タイガースはハビアー・バイエズと契約し、有望な若手遊撃手がマイナーに控えるヤンキースは大物遊撃手の獲得を回避することが濃厚となっている。アストロズは6年を超えるオファーを提示する意思がないことが報じられており、ブレーブスは資金力を考えるとコレア獲得は現実的な話ではない。また、ドジャースはシーガーが流出したものの、今季途中にトレイ・ターナーを補強しているため、シーガーの穴は現有戦力で埋めることができる。

つまり、コレアの獲得候補球団はカブスとレッドソックスくらいしかいないということになる。コレアと同じプエルトリコ出身のアレックス・コーラが監督を務めるレッドソックスは、正遊撃手ザンダー・ボガーツが来季終了後にオプトアウト(契約破棄)できる権利を有しているため、ボガーツ流出に備えてコレア獲得を検討する可能性がある。ボガーツは近い将来、遊撃から別のポジションへコンバートされることが確実視されており、もしボガーツがオプトアウトの権利を行使しなかったとしても、それほど大きな問題にはならないだろう。

一方、カブスは今季途中に主力選手を大量放出して再建モードに突入したかと思われたものの、今オフはウェイド・マイリー、ヤン・ゴームス、マーカス・ストローマンらを獲得。ジェッド・ホイヤー編成本部長は大規模な再建を行うことを否定しており、短期間で戦力の再構築を行い、再び勝負モードに突入することを目指していると思われる。コレアを獲得するだけの資金力を持っているが、10年契約には前向きではなく、契約年数で折り合いがつくかどうかがポイントとなる。

いずれにせよ、コレア獲得にはかなりの資金が必要なため、多くの球団を巻き込んだ大規模な争奪戦になることは考えにくい。シーガー以上の契約を望むコレアだが、自身の希望を満たすオファーを得るのは難しそうだ。

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