長崎、広島の高校生30人 VRで平和をテーマにアート作品制作

完成したアート作品を発表する参加者=長崎市、出島メッセ長崎

 高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムを活用し、長崎、広島両市をオンラインで結んだ平和学習のイベントが18日、開かれた。両市の高校生は、仮想現実(VR)の技術を駆使して平和をテーマにしたアート作品を完成させた。
 5Gの学習現場での活用を目的にNTTドコモが企画し、両市の高校生約30人が参加。長崎会場は長崎市尾上町の出島メッセ長崎で開き、県立長崎東高の2年生16人が集まった。
 イベントは2部構成で、第1部は長崎、広島の被爆の実相や被爆遺構などについて、双方をオンラインでつないで学習。第2部は両市の高校生が一緒に班をつくり、仮想空間上でアートを制作し、発表した。
 第2部で、参加者はVRのゴーグル型端末を着用し、コントローラーを使って物体を立体的に描いていった。両会場を動画と音声で結び、連携を取りながら広島の原爆ドームや長崎の「一本足鳥居」などをモチーフにした作品に仕上げた。
 長崎東高2年の松浦実継さん(17)は「平和や原爆に関し、広島については知らないことが多かった。VRでアートを制作するのは新鮮だった」と語った。

VRのゴーグル型端末を着用し、作品を制作する参加者=長崎市、出島メッセ長崎

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