わがまち回顧2021 西海支局 大雨 道路不通相次ぐ

通行止めが続いている県道229号扇山公園線=西海市大瀬戸町雪浦幸物郷

 8月の大雨は県内各地に被害をもたらした。西海市では8月11日の降り始めから19日までに、838ミリの雨量を記録。西彼町の水路で2人が亡くなり、生活道路の通行止めも相次いだ。
 生活道路として使われていた私道が崩れ、車で通えない集落も発生。私有財産と災害復旧の関係や生活支援の問題が浮き彫りになった。市議会でもこうした課題を巡って論戦が交わされ、市独自の復旧費補助制度の創設につながった。
 県市によると23日時点で、県道1、市道24、林道1の計26路線に今も不通の箇所が残る。大瀬戸町幸物(こうぶつ)地区では路面が崩れ、県道が全面通行止めに。地滑りの兆候があり調査も含め復旧には数年かかるとされる。
 西彼杵半島の山あいにある同地区。約130人が暮らし、畜産農家が千数百頭の牛を飼育する。大型車は大きく迂回(うかい)して行き来しなければならず、ガソリン価格高騰も加わり、牛や飼料の運搬への影響は少なくない。ある農家は「人口や交通量が少ないので優先度が低いのか」と悔しがり、一刻も早い復旧を願う。
 主なニュースは▽県立大崎高野球部が春の選抜に初出場▽電源開発(Jパワー)が松島火力発電所の高効率化計画を発表▽杉澤泰彦市長が再選▽大崎高出身で車いすバスケットボールの鳥海連志選手が東京パラリンピックで銀


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