ぶつ切り次々小売店へ 上越伝統サメの競り市 一印上越魚市場

 上越市の年末の風物詩「サメの競り」が27日、一印上越魚市場(上越市木田3)で行われた。スーパーのバイヤーらが集まり、ぶつ切りにされたサメを次々と競り落とした。サメは切り身の他、煮こごりやフライなどの総菜となって店頭に並ぶ。

4~10キロあるサメの切り身が次々と競り落とされた

 同日はぶつ切りにしたモウカサメ20本、切り身にして約80個が並んだ。価格は漁船の燃料高を反映して例年より1キロ当たり200~300円高め。同魚市場の尾崎徹社長は「サメは(年末の)この時期が最もよく売れる。しかし年々需要は減少傾向。さまざまな商品を出して努力している」と話す。2013年には70トンあった販売量は、20年には40トンまで減少しているという。

 上越のサメ食文化は江戸時代から続くとされ、サメの煮付けは山間部を中心に今もおせち料理に欠かせない一品となっている。サメ食文化を研究している上越教育大大学院1年の竹渕泉さん(23)は「競りを初めて見たが、迫力があった。『ぬた』や『煮こごり』などの伝統料理もあるが、若い人はフライにした方が食べやすいかもしれない」と話していた。

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