「家族でゆっくり」 帰省の動き本格化 マスク姿で警戒も

多くの帰省客が見られたJR長崎駅のホーム=29日午前11時58分、長崎市尾上町

 新型コロナ禍で迎える2度目の年末。29日は正月を古里で過ごす人たちの帰省の動きが長崎県内でも本格化した。昨年は空席が目立ったが、今年は利用者数が例年並みに戻った交通機関も。長崎市尾上町のJR長崎駅では、マスク姿で感染を警戒しながら、土産を手にして帰省する家族連れらの姿が見られた。Uターンのピークは1月3日になる見通し。
 JR九州によると、全体の乗車率はコロナ禍前には及ばないが、昨年の帰省ピーク時を大きく上回り、午後4時半現在、特急かもめ(博多-長崎)の自由席は最大180%(昨年70%)、特急ハウステンボス(博多-ハウステンボス)は最大120%(同50%)。指定席は予約で満席の便が半数を超えた。
 本土と五島を結ぶフェリーやジェットフォイルを運航する九州商船によると、コロナ禍前と予約状況はほぼ変わらず、30日や1月2、3両日はジェットフォイルが全て満席。日本航空の東京、大阪-長崎線や福岡-長崎の高速バス「九州号」は29日、全ての便でほぼ満席だった。
 JR長崎駅では、名古屋市から夫と2歳の息子と帰省した溝上美緒さん(33)が「家族でゆっくりできれば」。家族5人で奈良市から母方の祖父母の家に帰省した小学3年の川野治幸君(8)は「カステラ食べたい」と笑顔で話した。

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