長崎県内神社「初詣は“分散参拝”を」 コロナ禍、2度目の年越し 感染対策呼び掛け

感染防止のため竹筒から水が流れるようにした「手水舎」で手を清める巫女=雲仙市千々石町、橘神社

 新型コロナウイルス禍で迎える2度目の年越し。長崎県内の神社は、新変異株「オミクロン株」を警戒し、分散参拝の呼び掛けなど昨年同様、初詣の感染予防策を継続する。ただ1年前より感染状況が落ち着いているため、行事再開の動きもある。
 「2年続けて、巫女(みこ)がマスク姿で参拝者をお迎えすることになるとは」。例年8万~9万人の初詣客が訪れる橘神社(雲仙市)の橘昌樹宮司(54)は苦笑する。手水舎は感染防止のため竹筒から水が流れ落ちるようにしている。28日に就任したアルバイトの巫女13人が研修で手を洗い清めた。
 同神社は昨年に引き続き、拝殿の鈴緒を撤去し、年内に参拝を済ませる「幸先詣(さいさきもうで)」を勧めている。だが参拝者数は前年同期の5~6割にとどまる。橘宮司は「三が日に人出が集中しそう。マスクを着用し、距離を空け、騒がずに参拝を」と求める。
 例年約10万人でにぎわう亀山八幡宮(佐世保市)も分散参拝を呼び掛けている。1月8~10日の3連休に参拝する人が多いとみて、三が日は前回並みの6万~7万人と見込む。
 諏訪神社(長崎市)は、こうした感染対策を講じた上で、元日の「福茶」振る舞いを2年ぶりに復活する。主催する茶道裏千家淡交会長崎青年部の廣田亮作部長は「市内で感染者がほぼ出ておらず、ウィズコロナのノウハウが蓄積されてきた」。例年より規模を縮小し、午後1時から先着100人に限定。茶わんを100個用意し使い回しをせず、密を避けるため整理券を配布する。「すがすがしい気持ちで年の始まりを」と初詣客を出迎える。
 長崎電気軌道(長崎市)は近年の利用客減を理由に、12月31日深夜から1月1日未明にかけての「初詣電車」の運行を今回も取りやめる。


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