コロナ禍の年越し 増す生活苦、深まる孤立 横浜・寿地区で支援活動始まる

「寿越冬闘争」の会場で相談に応じる高沢さん(右から2人目)ら=29日、横浜市中区の寿公園

 新型コロナウイルスの影響が長期化する中、市役所など公的機関の窓口が閉まる年末年始に生活困窮者や路上生活者(ホームレス)らを支援する「寿越冬闘争」が29日、横浜市中区の寿地区で始まった。支援者らは、厳しい冬を迎え経済的・社会的に孤立する人が増えるとみて、会場となる寿公園で炊き出しを行うほか、相談窓口を設けている。来年1月3日まで。

 「労災のもみ消しや不当解雇など、非正規雇用者からの相談が増えている」

 寿越冬闘争実行委員会事務局長の高沢幸男さん(51)は「蓄えもなく生活が破綻しているが、野宿に耐えられずネットカフェで暮らさざるを得ない人が相当数いる」と指摘。実態を把握しきれておらず、「生活や住居が不安定な人がコロナ禍で増えている。流動する人たちといかに接点を持つかが課題」と頭を悩ます。

 寿越冬闘争は寿日雇労働者組合や寿医療班、寿支援者交流会など7団体でつくる実行委員会が主催し、今回で48回目。コロナ禍での年越しは2度目となり、生活の苦しさを訴える声はより深刻化しているという。

 感染拡大を懸念し、年越しそばや餅つきなどの恒例行事は今年も中止となったが、支援者は「温かくて、栄養があり、おいしいものを」を合言葉に、昼食の炊き出しを3日まで行う。

 寿公園にはテントが張られ、住居がないなど行き場を失った人たちの生活相談に応じる。弁護士や司法書士らでつくる「反貧困ネットワーク神奈川」による法律相談や労働相談、医療相談なども連日開催し、いずれも無料で相談に応じる。

 高沢さんは「年末年始に孤立する危機にある人に越冬闘争を知ってもらい、寿公園でほっとしてもらえれば」と呼び掛けている。

 公式ホームページ(https://yokohama-kotobuki.jimdofree.com/)。問い合わせは高沢事務局長電話045(641)5599。

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