2018年にスタジアムシティ構想を掲げ、日々、新たなアイデアを盛り込みながらプロジェクトを進める髙田旭人社長に、地域創生の意義などを聞いた。
-スタジアムだけではなく「まち」にした理由は。
日本ではスタジアムを孤立して建てる印象があった。2時間の試合で5千円使うなら高いが、6時間楽しめたら8千円使ってもまあいいかと思える。そういう世界をつくらないとビジネスとして続かない。ホテルや商業棟もある複合施設だからこそ、年間二十数試合でも成り立つモデルができる。
-地域創生を民間がやる意義は。
1日中楽しめる場所を長崎につくりたいという思いが強く、そこを尖(とが)らせてこそ民間でやる意味がある。
地域創生は行政の仕事と思われがちだが、地域の一員である民間の仕事でもあり、雇用を創出すれば若者は残りたくなる。極端に言えば人口を増やし、健康寿命を延ばし、出生率を上げるところまでつなげたい。行政におんぶに抱っこではなく、自分たちが意思を持ち、前に進んでいきたい。
-長崎ロープウェイ延伸が注目されている。
長崎市がどういう形を望むか方向性が出た後で、僕らができることだったらやろうと思っている。稲佐山からスタジアムに向かって下りてくるので、新たな価値をつくれると思う。
-課題は。
V長崎やヴェルカと連携し、プロジェクトの認知度を上げていく。渋滞対策は公共交通機関の使い勝手をどれだけよくするか。逆転の発想で、スタジアムでしか飲めない地ビールを作るなど、車で行かないほうがいいと思えるような取り組みを増やしていきたい。