サッカーの第100回全国高校選手権第4日は2日、東京・駒沢陸上競技場などで3回戦8試合が行われ、長崎県代表の長崎総合科学大付は昨夏のインターハイ8強の東山(京都)に0-3で敗れ、4大会ぶりの8強進出はならなかった。
長総大付は1、2回戦に続いて小嶺監督が不在。試合は前半から東山に押される展開となった。29分に相手のロングスローからゴール前で混戦となり、跳ね返りを決められて、そのまま0-1で折り返した。
後半は立ち上がりから攻勢に出て、8分に右CKからDF原口が頭で合わせたが惜しくも枠外。逆に23分、自陣でボールを奪われると、シュートの跳ね返りを押し込まれて追加点を許した。終了間際にもFKからの展開で3失点目。それでもFW芦高らを軸に最後まで攻めたが、ゴールが遠かった。
3大会ぶりの優勝を狙う青森山田は3-1で阪南大高(大阪)に快勝し、前々回王者の静岡学園は宮崎日大に8-0で大勝。前橋育英(群馬)は鹿島学園(茨城)に2-1で競り勝ち、桐光学園(神奈川)、大津(熊本)、関東第一(東京B)、高川学園(山口)も勝ち上がった。
第5日は4日、首都圏2会場で準々決勝4試合を実施する。
■全力尽くした好チーム ピッチ外にこだわり成長
過去最高の8強超えを目指した長崎総合科学大付の挑戦は、8強の目前で終わった。小嶺監督不在の中で1、2回戦をいずれも1点差で制してきたが、この日は0-3で完敗。劣勢を強いられ、少ないチャンスも決めきれなかった。
堅守の東山にセットプレーから先制されて苦しくなった。左右に張るFW芦高、FW西岡を生かして起点をつくりたかったが、体をぶつけてくる相手DFに持ち前のスピードを消された。生命線だった球際やセカンドボールの回収でも相手が上手。1点を追う後半8分、CKからDF原口が今大会3点目のヘディング弾を狙ったが、わずか上にそれた。
抜きんでた選手がいなくても、まとまりのある好チームだった。「あいさつ、バッグの並べ方一つから言われていた」(DF児玉)というスタート。3年生が日常生活から見つめ直し、その姿勢を見て1、2年生が部活の意義を学んだ。MF竹田は「ピッチ外の行いがプレーに宿る」と口にする。当たり前のことを率先してやる。その心掛けがハードワークを生み、誰かがミスしても誰かがカバーできる手ごわい集団をつくった。
この日もベンチ外となった小嶺監督は大会を前に「長崎県民の方々に応援してもらっているから下手な仕事をしたらいかん。一つでも上に行けるように。それが皆さんへのお返しだと思う」と話していた。全国2勝。体調不良で第100回大会のひのき舞台に立つことはかなわなかったが、思いを受け取った選手たちはしっかりと全力を尽くした。