栃木県内新たに33人感染 オミクロン株感染も新たに2人確認 新型コロナ

県内の新型コロナウイルス感染者数

 栃木県と宇都宮市は4日、新たに計33人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。新規感染者数が30人を超えるのは、昨年9月29日の42人以来約3カ月ぶり。新変異株「オミクロン株」への感染も新たに2人確認された。いずれも海外からの帰国者で、県は「市中感染ではない」としている。昨年末から感染者が徐々に増加傾向となり、第6波が懸念される中、県は4日から全県民対象の無料検査を開始。県民から問い合わせが相次いだ。

 新規感染者は10歳未満~100歳以上の男女。居住地別では宇都宮市と真岡市が各15人と多く、栃木市、佐野市、日光市が各1人。真岡市の高齢者施設で県内122例目のクラスター(感染者集団)が発生し、3~4日に入所者14人、職員3人の計17人の感染が確認された。県内の累計感染者数は1万5688人となった。

 オミクロン株の感染が判明した2人は、県内在住の30代男性と20代女性。男性はパナマ、女性は米国からそれぞれ昨年12月下旬に帰国し、既に感染が確認された人と同じ航空機に搭乗していた。隔離期間中のPCR検査で陽性が判明した。

 茨城県でオミクロン株の市中感染が確認されたことを受け、県が無症状の県民を対象に始めた無料検査は、県内76カ所の薬局や医療機関で実施された。

 抗原検査を行う小山市喜沢の「ピノキオ薬局喜沢店」では、受け付けで薬剤師が体調などを確認。利用者は、空気が外に漏れない「陰圧室」に入ってマスクを外し、マイク越しに薬剤師から指示を受けながら綿棒で鼻の粘液を採取した。結果は15分ほどで判明した。

 同薬局の薬剤師、町田匡俊(まちだまさとし)さん(39)は「感染症と上手に付き合っていくために必要な検査。不安でも病院には行きづらいという場合などで利用が増えると思う」と話した。

 県感染症対策課には検査の問い合わせが相次ぎ、午前中だけで50件ほどの電話があったという。担当者は「関心の高さがうかがえる。少しでも心配な人は検査してほしい」と呼び掛けている。

県内の新型コロナウイルス感染者(4日発表)

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