急激な「円安」の影響受けた倒産が発生 ~「為替」関連倒産 ~【2021年12月速報値】

 2021年12月の為替相場は、新型コロナウイルスのオミクロン株流行による感染者急増などの懸念材料はあったが、ドル高基調は崩れず、ドル円相場は1ドル=115円台を維持した。年明けにはドル買い・円売りが一層進み、1月5日には5年ぶりとなる1ドル=116円台に達した。
 こうしたなか、12月の「円安」関連倒産(速報値)は、4カ月ぶりに1件(前年同月ゼロ)発生した。文具や日用雑貨の企画・製造・販売のアイ・フィット工業(株)(TSR企業コード:363869654、東京都)は、新型コロナウイルス感染拡大により海外への発注が困難となっていたところへ、急激な円安、原油高及び原材料の高騰が重なり12月21日、東京地裁へ民事再生手続開始を申し立て同日、監督命令を受けた。
 2021年(1-12月)の「円安」関連倒産は5件(前年4件)で、2014年(282件)以来、7年ぶりに前年を上回った。

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