全日本バレー高校選手権 男子・鎮西学院が初戦敗退

【男子1回戦、県岐阜商-鎮西学院】鎮西学院のエース梅本がスパイクを放つ=東京体育館(c)春の高校バレー事務局

 第74回全日本バレーボール高校選手権は5日、東京体育館に男女各52校が出場して無観客で開幕した。男女の1回戦計40試合が行われ、長崎県勢は男子の鎮西学院が県岐阜商に0-2で敗れた。
 鎮西学院は第1セット、エース梅本のバックアタック、MB前田の速攻、OH川内のブロックアウトなどで中盤まで競り合ったが、強烈なジャンプサーブに押されて17-25で奪われた。第2セットも勢いを止められずに19-25で落とした。
 男子はこのほか、前々回大会優勝の東山(京都)が1-2で習志野(千葉)に敗れた。九州勢の川内商工(鹿児島)、佐賀学園などが2回戦に進んだ。
 女子は2大会ぶりの優勝を狙う東九州龍谷(大分)が富士見(静岡)にストレート勝ちした。インターハイ4強の都城商(宮崎)は2-1で安来(島根)を下した。大会は準々決勝までは3セット制、準決勝と決勝は5セット制で行う。
 第2日の6日は同会場で男女の2回戦を実施。長崎県勢は女子の聖和女学院が第6試合(15時)で誠英(山口)と対戦する。

◎高さとサーブに力負け エース梅本 奮闘及ばず

 夏のインターハイで16強入りした鎮西学院の挑戦は、初戦で幕を下ろした。元Vリーガーの辻監督が率いる県岐阜商に力負け。身長183センチ以上の6人が並ぶ高さと、強烈で正確なジャンプサーブに押された。戸田監督も「予想以上に相手が良かった」と認めざるを得なかった。
 サーブレシーブが思うように返らず、持ち前のコンビバレーが不発。身長差をつかれて打ち込まれ、点差が広がった。劣勢の中で気を吐いたのがエース梅本。厳しいマークにつかれながら、懸命に腕を振り抜き、強烈なジャンプサーブやブロックをはじく強打でチーム最多の13得点を挙げた。雄たけびやガッツポーズで喜びを表現して、仲間たちを勇気づけた。
 今季は「雑草軍団」と呼ばれてきた。中学時代は全国大会を経験していない選手ばかり。努力を重ねて成長し、インターハイと春高バレーに出場した。戸田監督は「ここまで来られた。努力が出たんじゃないかな」と健闘をたたえた。
 初戦を突破できれば、インターハイで敗れた清風(大阪)と、2回戦で当たる組み合わせだった。清風のセッター前田と梅本は全日本中学選抜のチームメート。昨年の春高バレー後に約束を交わした対戦がインターハイで実現し、春高での再戦も誓っていたが、かなわなかった。梅本は「リベンジをしたいと少し先走っていた部分があった。自分が最後まで引っ張らなきゃいけなかった」。悔しさを胸に春高バレーの舞台を去った。


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