全日本バレー高校選手権開幕 全国大会に臨む長崎県勢 男子 鎮西学院 エース梅本軸に4強狙う 女子 聖和女 楽しみながら勝ちにいく

県予選で2連覇を飾った女子の聖和女学院(写真左)、夏に続いて全国切符を手にした男子の鎮西学院=大村市、シーハットおおむら

 第74回全日本バレーボール高校選手権(春高)は5~9日、東京体育館で行われる。コロナ禍の影響で2年連続の無観客開催。感染対策をしながら、各都道府県予選を勝ち抜いた男女各52校が熱戦を繰り広げる。長崎県勢は男子の鎮西学院が1月開催に移行してから初めて、女子の聖和女学院が2年連続で出場権を獲得。そろって上位に絡める力を備えている。

■男子 鎮西学院 エース梅本軸に4強狙う

 県予選決勝は大村工とのフルセットの熱戦を制した。大黒柱は身長190センチのOH梅本。勝負強く、闘志あふれるプレーが持ち味だ。吾妻中時代に全日本中学選抜メンバーとして豪州遠征も経験している。3回戦まで進んだ夏のインターハイでも優秀選手に選ばれており、今回も「レシーブを安定させて、スパイク、サーブで攻めていく」と力強い。
 セッター江嶋は相手の動きを見ながら、意表を突いたトス回しで試合を組み立てる。裏エース川内も大きく成長。攻守両面で安定感が出てきた。サイドのマークが厳しくなる分、前田、宮田のMB陣がどれだけ活躍できるかがポイントか。
 守備の要はOP西海とリベロ橋本。橋本は「江嶋がトスを上げやすいようにつなぐ」と意識してコートに立つ。戸田監督が「何かがある」と評して、全国大会からメンバーに加えた永野も面白い存在だ。
 初戦はサブコートで県岐阜商と対戦。勝てば2回戦で夏に敗れた清風(大阪)と当たる。サーブとレシーブで流れを変える主将の山田は「目標はベスト4(センターコート)。サーブで崩してコンビバレーを仕掛けていく」と気合が入る。

■女子 聖和女 楽しみながら勝ちにいく

 県予選決勝はインターハイ8強の九州文化学園にフルセットの末に競り勝ち、2年連続で春高切符を手にした。昨年は優勝した就実(岡山)に3回戦で惜敗。その悔しさを知るエース田口は「去年は自分の力が足りなかった。今回は自分たちのバレーを楽しみながら勝ちにいきたい」と闘志を燃やしている。
 今季は相手ブロックが整う前に仕掛ける速さを追求。全国の高さに対抗できるだけの攻撃力を養ってきた。田口と主将のMB山下が二本柱で、難しい体勢からでも、冷静に状況を見極めて得点していく。高速コンビを生かすのはセッター山崎。身長178センチのMB中尾の強打やブロック、OP前田の気迫のこもったスパイクも武器になる。
 守備はブロックとレシーブの関係性を磨いてきた。リベロ佐伯、富川らを軸に、根気強くつなぎ、攻撃に転じていく。岡田監督が「期待の1年生」と評するOH小山は身体能力が高く、攻守両面で将来性がある。
 2回戦からの登場。初戦は強豪の誠英(山口)-敬愛学園(千葉)の勝者と対戦する。山下は「聖和のバレーっていいよねと思ってもらえるように、恩返しできる結果を残したい」と目標を掲げる。


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