強豪ポール・ミラーがBMW M4 GT3にスイッチ。車両供給の都合上、デイトナは欠場に/IMSA

 2022年もIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTデイトナ(GTD)クラスに参戦する、強豪チームのひとつであるポール・ミラー・レーシングは、ランボルギーニ・ウラカンGT3 EvoからBMW M4 GT3へとマシンをスイッチすることを発表。あわせてフルシーズンドライバーとしてブライアン・セラーズとマディソン・スノーがチームに復帰することを明らかにした。

 この元チャンピオンチームは2021年11月、ランボルギーニから全ドライバーをワークスドライバーとしたうえで2022年に新設されるGTデイトナ(GTD)プロクラスに移行することを提案されたが、これを断りイタリアのメーカーとの長年のパートナーシップを終了させることを決定した。

 チームは代わりにセラーズとスノーのコンビを継続させ、引き続きプロ・アマカテゴリーであるGTDクラスに残ることを確認。同時に使用する車両をBMW M4 GT3に切り替えることを選択した。

 長年、同チームで活躍するのコンビとともにIMSAミシュラン・エンデュランスカップ(IMEC)を戦う3人目の追加ドライバーについては現時点で発表はなく、1月29~30日に行われる2022年シーズン開幕戦のデイトナ24時間は車両デリバリーの関係で欠場を予定していることから、4人目のドライバーは起用されない見通しだ。

 Sportscar365は、チームが昨年11月に行われた最終戦プチ・ル・マンまでにBMWを採用することを決定したと理解している。しかし、その頃にはドイツメーカーが最初の車両をどこに供給するかの割り当てを決めていたため、ポール・ミラー・レーシング用のマシンはシーズンのオープニングレースに間に合わなかったと考えられる。

 チームオーナーのポール・ミラーは、自動車販売業のポール・ミラー・オートグループの一員としてBMWと長い付き合いがあり、同グループ最初のBMWディーラーとなったポール・ミラーBMWは2000年にオープンしている。

「私たちは幸運なことに過去6シーズンにわたってチャンピオンシップや、スポーツカーレースの世界でいくつかの大きなレースで勝利を手にすることができた」と語ったミラー氏。

「しかし、いまBMWとともに新たなチャレンジに取り組むことになり、とても興奮している。ディーラー経営でBMWと20年以上にわたって深く関わってきた私は、彼らのロードカーのパフォーマンスを直に触れ、彼らの競技での成功を見てきた」

「だからこそ、モータースポーツの分野でBMWの仲間入りができることに興奮しているんだ! M4 GT3はそのデザインに途方もない独創性が吹き込まれた非常に印象的なレーシングカーだ。そのクルマで初めて迎える3月のセブリング、そこからIMSAのレースを始めるのが楽しみだよ」

「当初、我々は4月までクルマを受け取れない予定だったが、BMW Mモータースポーツのチームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、セブリングから参戦できることになったんだ」

「また、2022年シーズンに向けて、マディソン(・スノー)とブライアン(・セラーズ)がふたたびこのチームの一員として戻ってきたことも非常にうれしく思う」と彼は付け加えた。

「このチーム全体はファミリーのようなものであり、ふたりはその環境の大部分を占めている。それに、ふたりがレースカーにのると素晴らしく速いというのも悪くない!」

「両者の結果はまさにそれを物語っている。そこにM4 GT3を味方につければ、彼らは2022年も手強いペアであり続けることだろう」

2021年IMSA第10戦ロングビーチでクラス優勝を飾ったブライアン・セラーズ(左)とマディソン・スノー(右)
ブライアン・セラーズとマディソン・スノーがドライブするBMW M4 GT3
納入時期の関係で1月のデイトナをスキップし、3月19日開催のセブリング12時間から参戦を開始する。
当初は4月の納入予定だったが、3月のセブリング参戦が可能となった
ポール・ミラー・レーシングの1号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 Evo 2021年IMSA最終戦プチ・ル・マン

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