ツインバード工業株式会社(新潟県燕市)が2022年2月期第3四半期決算(連結)発表、FPSC事業のセグメント利益は前年同期比約17倍に

ツインバード工業株式会社 外観(2020年10月撮影)

ツインバード工業株式会社(新潟県燕市)は7日、2022年2月期第3四半期決算(連結)を発表した。

売上高は95億6,400万円(対前年同期比23.2%増)、営業利益は6億円(前年同期は△2億700万円)、経常利益は5億5,100万円(同△3億900万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3億5,700万円(同△2億3,200万円)で、前第3四半期連結累計期間から増益増収の黒字転換となった。

セグメント別の業績は以下の通り。

家電製品事業

家電製品事業においては、前期における調理家電などの巣ごもり需要や、定額給付金などによる家電需要の反動を受け、家電量販市場向けの売上が足元で減速した。一方、ホテルや病院向けの業務用家電およびOEM製品などのソリューションビジネスは、前期コロナ禍による需要減少の影響から順調に回復している。

収益性については、直近2年間で商品点数を約600点から約300点にまで半減させながらも売上規模を維持しつつ、売上総利益率は前年同期比1.9ポイントの改善を実現した。

この結果、家電製品事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は75億4,000万円となり、前年同期比5,500万円の増収。セグメント利益は4億9,900万円(前年同期比23.3%の増)となった。

なお同社の家電製品事業は、年末年始商戦や新生活商戦における販売需要が最も多くなるため業績に季節的変動があり、売上高及び利益は第4四半期連結会計期間に集中する傾向がある。

FPSC事業

FPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)については、新型コロナウイルス感染症ワクチン用ディープフリーザー(SCDF25WL)について、武田薬品工業株式会社向け大型案件の出荷を4月にて完了し、さらに厚生労働省からの追加受注についても7月および9月に出荷。これらの製品はモデルナ社ワクチンの主な接種先である医療機関や職域接種会場などへの輸送・保管用に幅広く使用された。

この結果、FPSC事業の当第3四半期連結累計期間における売上高は20億2,400万円となり、前年同期比17億4,600百万円の増収(約7倍)に。セグメント利益は8億3,600万円となり、前年同期比7億8,600万円の増益(約17倍)となった。

なお同社は当第3四半期連結会計期間、リブランディングやDX、人材など、家電製品事業の収益化とFPSC事業の新展開のための戦略的投資(当期約10億円:キャッシュベース)を予定どおり実行開始している。

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