大河ドラマ「鎌倉殿の13人」義時ゆかりの覚園寺、「戌神将」の記念パネル 「東国武士の志を感じて」

お目見えしたパネル。仲田住職は「大河ドラマをきっかけに楽しみが連鎖していけば」と話す=鎌倉市二階堂の覚園寺

 1月9日午後8時から放送が始まるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。二代執権・北条義時ゆかりの覚園寺(神奈川県鎌倉市二階堂)では、大河ドラマを記念したオリジナルパネルが、元日からお目見え。仲田順昌住職(48)は「訪れる人々をお迎えし、東国武士の志を感じる特別な一年に」と願いを込める。

 義時が敬った戌(いぬ)神将と本堂薬師堂の写真が目を引く色鮮やかなデザインで縦1.1メートル、横1.8メートル。戌神将の実物大アクリルパネルや十二神将のモチーフのレプリカも用意している。

 義時を描くドラマに「寺にとってなくてはならない武将。どのように時代が描かれるかわくわくする」と仲田住職。「新型コロナで人との触れ合いを避けなければならず、幸せに生きるための試行錯誤を繰り返している。パネルで、あいさつできる喜びや、明るい気持ちをお伝えしたい。大河ドラマが、武士の願いや志を改めて感じる機会になれば」とほほ笑む。

 覚園寺は1218年、義時が建てた大倉薬師堂が前身。同寺などによると、義時は夢で、薬師如来の眷属戌神伐折羅大将(けんぞくいぬかみばさらたいしょう)から来年の参拝に同行しない方が良いと告げられ、安全を願い薬師堂を建立したという。

 翌年、お告げを気にしながらも源実朝の右大臣拝賀式に同行したが、道中で白い犬と目が合い進めなくなって帰宅。その拝賀で実朝は襲撃されてしまう。難を逃れた義時は、戌神将を深く敬ったと伝わる。薬師堂はその後に焼失し、足利尊氏が現在の本堂薬師堂と尊像を再建。九代執権・北条貞時が同寺を整備した。

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