「ベトナムに成人式はないので、うれしい」 留学生3人が成人式に出席 離れて暮らす家族に感謝

記念撮影する(左から)ラムさん、民族衣装アオザイ姿のグエンさん、レーさん=五島市池田町、福江文化会館

 「ベトナムに成人式はないので、参加できてうれしい」。長崎県五島市で4日あった成人式には、晴れ着姿の地元の若者たちに交じって、2年前に開校した五島日本語学校(吉濱洋典校長)のベトナム人留学生3人の姿もあった。
 同校は2020年4月開校。新型コロナの影響で2期生は入国できない状態が続き、1期生16人が寮生活を送りながら日本語などを学んでいる。昨年、寮生の中に新成人は7人いたが、式が中止となったため、今回、同校から初めての出席となった。
 ラム・ニャット・ハイさん、グエン・マイ・リンさん、レー・チャン・トゥオン・ヴィさん。約160人が出席した福江地区の成人式で、3人も大人への一歩を踏み出した。
 式では、新成人の代表が保護者に向けて感謝のメッセージを発表。3人も、離れて暮らすベトナムの家族のことは片時も忘れない。いつも感謝の思いが胸にある。「発表に感動した。良い思い出を作ることができた」とグエンさん。
 それぞれ日本の大学に進学予定で、ラムさんは「しっかり勉強し、将来はホテルを経営したい」、レーさんも「日本の会社で頑張りたい」と抱負を語った。3人の門出の日を見守った吉濱校長は「世の中に貢献できるよう頑張ってほしい」と期待した。


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