体操・内村が現役引退 五輪個人総合2連覇 14日、東京で記者会見

2014年のNHK杯で史上初の6連覇を果たした内村航平の跳馬=国立代々木競技場

 体操日本代表のエースとして2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪で男子個人総合2連覇を達成した内村航平(33)=ジョイカル、長崎県諫早市出身=が11日、現役引退を表明した。所属事務所が発表した。14日に東京都内で記者会見を開く。
 08年北京五輪に19歳で初出場し、団体総合、個人総合で銀メダルを獲得した。計6種目で争う個人総合は無類の強さを発揮。五輪2連覇、史上初の世界選手権6連覇を合わせて8年連続世界一に輝き、08年全日本選手権から17年NHK杯まで国内外の大会で40連勝を記録した。難しさと美しさを兼ね備えた演技で「キング」「絶対王者」の異名を取った。
 団体総合と個人総合で2冠を飾ったリオ五輪後、日本体操界初のプロ選手に転向。だが、17年世界選手権は予選で左足首を故障し、個人総合で7連覇を逃した。コロナ禍で1年延期となった昨夏の東京五輪は種目別の鉄棒に絞って出場権を獲得。金メダル候補として臨んだものの、予選で落下して決勝へ進めなかった。昨年10月に北九州市で行われた世界選手権は6位に終わっていた。
 両親が経営する体操クラブで3歳の時に競技を始め、長崎県から巣立ったスーパースター。14年の長崎がんばらんば国体に出場したほか、体操教室の開催など故郷に貢献した。県民栄誉賞、長崎新聞文化章など、多数の表彰を受けている。

◎県民に勇気と感動 中村法道知事の話

 内村選手の五輪や世界選手権などでの活躍は、県民はもとより、国民に勇気と感動、子どもたちに夢と大きな希望を与えた。長く日本体操界をけん引し、国民の期待と大きな重圧の中でも世界一の「美しい体操」を貫き、技を磨いてきたたゆまない努力と多大な功績に敬意を表し、感謝申し上げる。


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