【中医協】健保連、調剤料の加算新設に慎重姿勢

【2022.01.12配信】厚生労働省は1月12日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会を開き、「令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」を提示した。これに対して健保連理事の松本真人氏は、これまで調剤料として評価されていた「処方内容の薬学的分析」などの業務を新たに評価する方向に対して「我々の意見と相違が大きい」などと述べ慎重姿勢を示した。

フォーミュラリに関しては支払い側と診療側で平行線

同日の中医協では、「令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」を提示していた。
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この案に対し、健康保険組合連合会(健保連)理事の松本真人氏は、オンライン資格確認導入に対する評価に反対の意向を示した。
「オンライン資格確認システムの活用に関して、支払い側からは意見書でも申し上げているが、広く医療機関薬局で導入される必要はあるが、費用負担を含めて保険者がシステム運用に協力しており、新たな評価については明確に否定させて頂いている。この部分については修文を主張する」と述べた。加えてオンライン資格確認の活用の目的に掲げられた「診断および治療等の質の向上を図る観点」に関して、「どういう意味なのか、ある程度具体的に教えていただきたい」とした。

さらに、基本診療料の評価について、研修等の要件を見直すと記載されていることに対し、「中医協の場で反対と意見を申し述べさせていただいている。表現について見直しをお考えいただきたい」とした。

調剤の評価に関する内容については、これまでの議論で調剤料の作業体系が提示されていたものの、「形で示されたあとに、すぐにここが評価に繋がっていくというのは我々の意見ではかなりの相違が開いた部分もある。従って、評価の新設の可否、ならびに従来のこれに関連する算定の成果も踏まえて、今後の個別改定項目にさせていただきたい」と述べた。

案に記載されていない項目として、フォーミュラリーに触れた。「案にはないが、薬物治療を標準化するためのツールとしても推進は必要だ。診療報酬の評価についてはガイドライン等を踏まえて時間をかけて議論することは結構だが、効果が同等であれば経済的な薬剤を優先的に使用することを療養担当規則等で定めることも1つの方法ではないかと12月8日の場で申し上げたところ、特段の反対意見はなかったように記憶している。国民にとって身近で安心安全で医療の実現、あるいは適正化を通じた制度の持続可能性の向上の項目にぜひ追加いただければ思う」と述べた。

編集部コメント/目的は「対人シフト」であることへの理解へ、薬剤師会の“説明力”が試される

フォーミュラリに関しては、健保連は、診療報酬上の評価は難しくても療担規則への記載であればいいのではないかとの提案を示した格好だが、この意見に対して、診療側である日本医師会常任理事の城守国斗氏は、「診療側はフォーミュラリに関しては一貫して反対している」と改めて主張。「フォーミュラリはまだ確立していないもの」と述べ、療担規則に記載することについても反対した。

中医協で議論されながら、「これまでの整理案」に文言の記載もなかったフォーミュラリだが、支払い側の導入意欲は強く、次々回以降に議論は尾を引きそうだ。

調剤料に関しては、これまでの中医協で日本薬剤師会が「調剤料には対人業務が含まれている」との主張を展開しており、これらの対人業務に関しては加算の新設などを提案していた。支払い側からの反対意見は、新設される加算の内容や有用性が理解しづらいことが背景にあると考えられるが、もともと調剤における対人業務は可視化しづらい面があり、「案」で示された「監査業務」や「処方内容の薬学的分析」、「調剤設計」等がまさに薬学的知識を有する単なる対物業務ではないことを理解してもらうしか説明のしようはないだろう。「案」では、「薬剤服用歴管理指導料として評価されていた薬歴の管理等に係る業務の評価を新設」や「薬剤服用歴管理指導料として評価されていた服薬指導等に係る業務の評価の新設」も記載する一方、「薬剤服用歴管理指導料に係る加算について評価の在り方を見直す」とも記載している。「対物から対人へのシフト」を実現するためにも、「対人」業務を整理し、あるべき調剤報酬体系を見直してきた薬剤師会の“説明力”が試されることになりそうだ。

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