“強制徴用場は世界遺産になり得ない” 朝鮮の研究員が指摘 新潟県の佐渡鉱山

朝鮮外務省日本研究所のチャ・ヘギョン研究員は11日、朝鮮外務省HPに掲載した文で、日本文化庁文化審議会が強制連行の歴史がある新潟県の佐渡鉱山を世界遺産に登録しようとしていることに対し、「侵略の歴史と犯罪の痕跡がはっきりと刻まれている強制徴用場、殺人現場は決して世界遺産になり得ない」と主張した。

朝鮮外務省庁舎

同研究員は、佐渡鉱山について「端島炭鉱(軍艦島)と同様に、劣悪な生活環境と労働条件、朝鮮人労働者に対する殺人的な労働強要、深刻な民族差別によって、こんにちまでわが人民の中で人間生き地獄の代名詞として呼ばれている」と指摘した。

同研究員は、2015年に「明治日本の産業革命遺産」の一つとしてユネスコ世界文化遺産に登録された端島炭鉱について、登録に際して強制労働などの事実を明確にするとした約束を日本が履行していないとしてユネスコが2021年7月に遺憾を表明したことに言及し、日本は未だこれを拒否していると批判した。

そのうえで、「日本帝国主義の植民地統治の産物、犯罪の証拠現場を文化遺産として世界と現代文明の前に再びさらけ出そうとする日本の破廉恥さと道徳的低劣さに驚きを禁じ得ない」とし、「日本だけが世界文化遺産登録を自らの犯罪の歴史を美化・粉飾するために悪用している。

日本が侵略と略奪行為を世界遺産という風呂敷に隠そうとすることは、植民地統治の歴史をなんとしても否定し覆い隠そうとするところに目的がある」と看破した。

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