スバル/STI、2022年モータースポーツ参戦体制発表。GT300は王者・井口卓人/山内英輝が続投【東京オートサロン2022】

 SUBARU、および同社のモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナル(STI)は1月14日、東京オートサロン2022に合わせてオンライン形式でのプレスカンファレンスを開き、2022年のモータースポーツ参戦体制を発表した。

 スーパーGT・GT300クラスには引き続きSUBARU BRZ GT300を送り込み、ドライバーも昨年チャンピオンコンビである井口卓人/山内英輝を継続起用する。

 2021年、新型に生まれ変わったSUBARU BRZ GT300をGT300クラスに投入したR&D SPORT。年間4回のポールポジションを獲得する速さを見せた一方で、とくにシーズン序盤はピーキーになったマシンのセットアップやドライビング、タイヤとの合わせ込みに苦労した。

 それらがまとまり始めた第5戦SUGOで新型車両での初優勝を遂げると、そこからは予選での速さのみならず、決勝での強さも見せるようになり、タイトル戦線に浮上。最終戦まで続いた争いを制し、SUBARU/STI、そしてR&Dスポーツとしても悲願であったGT300のタイトルを決めた。

 そんなSUBARU/STIは、2022年もSUBARU BRZ GT300でGT300クラスを戦う。ドライバーは昨年までと同様、井口卓人/山内英輝を起用。小澤正弘総監督のもと、R&D SPORTがチーム運営を行う点も変更なしだ。

 2022年のマシン開発については「水平対向エンジンの出力向上と信頼性向上、シャシーと空力特性の最適化、タイヤ接地性向上など」を織り込むとし、連覇を狙う。

2021年王者の井口・山内コンビが2022年も継続

■カーボンニュートラル燃料使用車両でスーパー耐久に参戦

 また、2019年以来3年ぶりの参戦となる第50回ニュルブルクリンク24時間耐久レースでは、SP3Tクラスに、WRX STI NBR Challengeで参戦する。ドライバーは、佐々木孝太/カルロ・ヴァン・ダム/ティム・シュリック/マルセル・ラッセーの4名が発表された。

 2022年の参戦車両は「タイヤ幅を拡大し、車体剛性バランスを見直して補剛を実施。新たに電動パワーステアリングを採用することで、クラス優勝を飾った2019年のレース車両をさらに上回る速さを追求しています」としている。進化した総合性能を武器に、SP3Tクラス優勝はもとより、総合順位でも2019年の18位を上回る過去最高位を目指す。

SUBARUが2022年のニュルブルクリンク24時間に送り込むWRX STI NBR Challenge 2022

 スーパー耐久については、既報のとおりカーボンニュートラル実現に向けた燃料と車両で、トヨタとともに参戦する。

 これは、SUBARUはSUBARU BRZ、トヨタはGR86をベースに、それぞれが長年に渡り技術を磨き続けてきた内燃機関に、カーボンニュートラルな燃料を組み合わせたレース用車両を新たに開発、ST-Qクラスに参戦して実証実験を行うというもの。

 SUBARUにおける参戦チーム、およびレース用車両の開発・製作には、スバルドライビングアカデミー(SUBARUエンジニアの運転スキルと評価能力を高める人材育成の取り組み)のメンバーを中心に、SUBARU技術本部の社員が参画する。

 ドライバーには井口卓人、山内英輝に加え、エンジニアの廣田光一が起用される。

 このスーパー耐久への参戦目的については、「SUBARUとトヨタが協調するとともに、レースの場では互いに競い合うことで、あらゆる選択肢について技術開発のスピードを上げ、カーボンニュートラルの実現に向けて挑戦していきます。また将来を担う技術者の人財育成につなげていきます」としている。

 このほか、全日本ラリー選手権には、SUBARUのサポート選手がWRX STIで参戦する。2021年シーズンにシリーズ3位を獲得した鎌田卓麻、新井敏弘、新井大輝をサポートしていく。また、GAZOO Racing GR86/BRZカップの各イベントでは、STIがサービスチームを派遣。SUBARUユーザーに対してサポートを行うという。

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