本場のピッツァを西海市から 北村さんの「nodo」 「真のナポリ」認定店に

「真のナポリピッツァ協会」の認定書を持つ北村さん(中央)=西海市、nodo

 長崎県西海市西彼町のイタリアンレストラン「nodo(ノード)」が、イタリアに本部がある「真のナポリピッツァ協会」の認定審査に合格し、県内初の認定店となった。店主の北村泰裕さん(32)は「本場のピッツァを西海市から広めたい」と意気込んでいる。
 審査は昨年10月、岐阜県で開催された同協会の日本定期総会で行われた。新型コロナウイルス禍のため、イタリアの関係者はリモートで参加した。
 本番で北村さんは手早く生地を伸ばし、具材をトッピング。3種類を焼いた。まき窯は高火力のため、焼き上がりまでわずか約1分半。「普段の窯と勝手が違ったが、合格と聞きほっとした」。認定店は国内に約90店あり、「nodo」は世界で902番目。
 北村さんとピッツァの出合いは20代半ば。大阪で和食店に勤めていた頃、妻の友里絵さんと訪れた小さなイタリアンの店で食べたピッツァに衝撃を受けた。料理人の手際の良さとスピード感。香ばしさと粉の香り、生地のもちもち感。五感で料理を体感し、洋食への転向を決意した。
 それから大阪のイタリア料理店で修業。長期休暇を利用し、本場イタリアにも1カ月滞在し、現地の店で実際に焼かせてもらうなど経験を積んだ。2年前、故郷にUターン。実家のいけす料理店の隣に店を開業し1年がたった。
 大阪で初めてピッツァを食べた時の思いを客にも感じてもらおうと、オープンキッチンにして、生地をこね、焼き上げる様子が見えるようにしている。「あの時の衝撃を与えられるよう認定を機に腕をさらに磨きたい」と話した。


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